宗教や信仰についての雑記 #304
◯DMNと瞑想
前回、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と固定観念との関連について書きましたが、今回はDMNと瞑想について書いてみようと思います。
瞑想には様々なものがあるようですが、それらを大きく二つに分類する考え方があるそうです。
一つは観察瞑想と呼ばれるもので、自分の思考や感情を客観的に観察する瞑想法です。考えが浮かんだり、感情が湧き上がったりしても、それらをジャッジせず、ただ観察します。
もう一つは集中瞑想と呼ばれるもので、特定の対象(呼吸、マントラなど)に意識を集中させる瞑想法です。雑念が浮かんでくる度に、意識を対象に戻す練習を行います。
そして観察瞑想はDMNを活性化させ、自己理解の深化や創造性の向上等の効果があるそうです。
一方集中瞑想はDMNを抑制し、集中力の向上やストレス軽減等の効果があるとのことです。
このように観察瞑想と集中瞑想でDMNへの影響が異なるります。それは、観察瞑想は考えや感情を観察することで、DMNが本来行っている活動(内省、自己参照処理など)を促進するのに対して、集中瞑想は特定の対象に意識を集中することで、DMNの活動から意識を遠ざけ、他の脳領域を活性化させるためと言われています。
前々回の投稿で、うつ病患者ではDMNの活動が過剰になる傾向があることに触れました。このように、DMNの過剰な活動が不安や抑うつに繋がることがあるので、集中瞑想などでDMNを抑制することにより、ストレスを軽減することができると考えられています。
一方観察瞑想は、DMNを活性化させることにより創造性が向上し、新たなアイデアを生み出すことに繋がるとのことです。
観察瞑想と集中瞑想は、DMNの働きを調整し、心の状態をコントロールするための有効なツールと言えるでしょう。その時の状況に応じて使い分けることが大切だと思います。