防災食食べてみた①
ある日突然、電子レンジが壊れた。
冷蔵庫で冷えたハンバーグを前に私のお腹は合唱を始める。
そして、12年前の出来事を思い出す。
計画停電で一定の時間、家電が使えなくなり、家族で一つの蝋燭を囲み食事をした。冷蔵庫で冷えていたものを温められず、カセットコンロで湯煎したのを覚えている。
「災害がおこると、こんなにも日常が変わってしまうのか」
と子供ながらに思っていたことを、壊れた電子レンジの前で思い出した。あの時のように、湯煎する気にもなれず、調理する気力もない。
空腹に明け暮れた私は、「防災食」を食べることにした。
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調理時間0分!? 超時短防災食とは
手に取ったのは永谷園 長期保存食フリーズドライごはん (ピラフ味)だ。
パッケージに「そのままでも食べられる」という文字があり、思わず手に取ってしまった。以下に、特徴を3つに纏めてみる。
【特徴】
1、そのままでも食べられる。
2、お湯で3分、水で5分。(スピードをかなえるフリーズドライ)
3、アレルギーフリー。(特定原材料28品目不使用)
注目すべきは、このスピード感。
防災食として慣れ親しまれている「アルファ化米」は、そのまま食べることはできず、お湯で15分、水で60分が一般的である。
特徴を並べてみると、防災食が進化していることを感じざるを得ない、、、。
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いざ、実食!お味は、、、?
封を開けると、白い画面とは裏腹にコーンの匂いが強く香る。
コーンの黄色に、にんじんのオレンジ、パセリの緑が散らされており、見た目からも「ピラフ」を連想させる。
「そのまま食べられる」という言葉通り、まずはそのままいただく。
美味い、、、、!!
食感は、あられのようなサクフワ感がある。味は、香り同様コーンの主張が強く、ピラフ味という感じはあまりしない。乾燥コーンを使っているということもあり、レトルトのコーンスープのコーンの味と香りという表現が一番近い気がした。
感覚としては、ごはんというより、スナック菓子である。
次に、水で調理をしてみる。
袋の中に、仕上がりのごはんの硬さを調節する線がついていた。
今回は、ひとまず「ふつう」をチョイス。
災害時を想定して、水での調理を選んだが、たった5分で本当にできるだろうか?
疑念を抱きながらも、水を入れる。
5分のタイマーがなる。
どきどきしながら封を開けると、これまたコーンの香りが強く香る。見た目のあられ感はそのままのこっているが、乾燥野菜の彩りは鮮やかになった。
さあ、どんな味なのか、、、。
美味い、、、、!!!
が、ピラフと言われればピラフであるが、言われなければとうもろこしご飯として食べるかもしれない、、、。やはり、コーンの味が強めであった。
お米特有の食感や香りがなく、お米として食べるには難しいかもしれないが、フリーズドライ飯という新たなジャンルのものとして食べる分には、十二分に満足できるものである。
ただ、食べた感触が軽いため、お腹にしっかり溜まる感じはない。しっかりした食事として考えるより、「小腹がすいた」「おやつ感覚で食べたい」という間食的な立ち位置なのかもしれないと個人的に思った。
フリーズドライ飯のすゝめ
いろいろ書いたが、まとめると、、、
オススメです。
おすすめの理由は、なんと言っても「スピード」だ。
時間を待たずに食べられるというのは、最大の魅力と言っていいだろう。
また、味変という意味でも、効力を発揮しそうだ。最悪の場合、長期間防災食で過ごさなくてはならない場合もあるかもしれない。缶パンやアルファ化米の他に、「フリーズドライ」という選択肢を広げてみるのはいいかもしれない。
最後に
「防災食、食べてみた」では、個人の独断と偏見をもとに書いていると言っても過言ではない。あくまで、防災食を検討するときの判断材料の一つとして捉えてほしい。
食べたら、ほっと一息つける。「防災食、食べてみた」そんな災害時のお供を探し出す、奮闘レポである。
本当に最後になるが、フリーズドライごはんのパッケージの裏に災害用伝言ダイヤル「171」の利用方法が記載されていた。
永谷園の防災意識の高さには、頭が下がる。