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SAMSUNGと本物の韓国人に出会うまで「韓国ドコソレ」だった自分はマジでドイツ人中学生だった
端的に言おう。90年代を若者として過ごした私の視点では、ドイツ人的にはアジアはマジで存在感がない。
中国が教科書に出てくるレベルで国としては知られていて、日本は車とかポケモンとか(世代による)で知った人が多い感じだったかと思う。
私は中学時代を日本人コミュニティの中で過ごした。そんな私たちの間で「日本っぽい」携帯は憧れだった。俗に言う「パカパカケータイ」というやつだ。NOKIAやMOTOROLAが古典的なちっこいテレビリモコン様の携帯電話を発売し続ける中、とある会社がその「パカパカケータイ」の需要を読み取り、それをリリースした。
韓国のサムスンである。
この動画のSGH-S500というモデルだったような気がするが記憶は定かではない。
日本の携帯とは全く同じではないのだけどディスプレイがカラーだったり、写真が撮れたり「へー凄い」とはなる感じだったことをよく覚えている。まだ中国のメーカーは海外展開する前だったこともあり、アジアの携帯電話といえばソニーかサムスンしかなかったが、案の定ソニーは保守的は棒みたいな板みたいなEricssonしか出していなかった。
正直"SAMSUNG"が何語かわからなかった。日本?中国?よくわからないなみたいな…父に聞いたところ「韓国」という国のメーカーらしい。
韓国ってどこだよと。
日本に住んでいれば隣の国だし、朝鮮族の日本人もいるだろうし「全く知らない」ことは不可能なのだろうが、ヨーロッパの田舎だとアジア=中国くらいの感覚しかないので、韓国なんて国は知り得なかった。
そして"SAMSUNG"を日本語っぽく感じたのはサムスンのイメージ戦略にも秘密がある。私が日本に帰国する頃にはサムスン製テレビが世界を席巻していたが、海外で富士山、力士、日章旗のイメージを多用し、日本企業に擬態し宣伝していたことに、サムスンが日本企業と勘違いされる(させる)原因がある。テレビや車でアジア企業=日本のイメージがついていた社会に、そのまま日本の皮を被って乗り込んできたのがサムスンだったため、「韓国」と言う国が私の地元で名を轟かせることはなかった。
というわけで、中学生にして初めて韓国という名前を聞いたのだが、まず場所さえ知らないのである。そして私は日本人学校に通いながらも大して日本語を理解せず、韓国はおろか、日本の都道府県さえ知らないまま中学を卒業した。
日本に一時帰国することも多々あった。日本への便で当然地図に描かれているのに意識したことがなかった。「韓国」という感じが「カンコク」と読めなかったからである。
そして高校生になった時である。ドイツ語の授業で日本人とはなんだか違う雰囲気のアジア人女子と同じクラスになったのである。隣に座っていた日本人の女子に「あの子は何人?」と聞くと「韓国人だよ」と教えてくれた。
本物の韓国人だあああああ!!!!
あの?サムスンの?ほえー…でも私韓国のこと何も知らないぞ?
と思っていたところ彼女が授業の終わりにお手紙をくれた。
「Hi!! あなたのファッション、すごく好きだよ。お友達になって!」
すぐお友達になった。しかも彼女は日本の子達と違って感情に正直で、とてもわかりやすかった。お互い英語が外国語だったこともあり、コミュニケーションがとりやすかった。これが初めて「韓国」という国をちゃんと意識した瞬間。
彼女との面白いエピソードは結構あるのだけどそれはまたいつか。
90〜00年代のヨーロッパの田舎では韓国のかの字も知られていなかった、というお話でした。
アジア圏外ではK-Popで初めて国として認識した若者は多かったんじゃないかなと思います。日本のポケモンみたいなものですね。
まあ、私たちも中央アジアの国についてどのくらい知っているの?と聞かれたら詳しい人なんて少数派なんじゃないかなあと思う次第です。(私はQ-Popとかは好きです。)