承認欲求に支配されない方法｜基礎知識から実践できる方法まで網羅的に解説
人から認められない・低い評価を受けると辛いですよね。
「自分を認められたい」欲求である承認欲求は、人類に備わっている本能です。人類は太古の昔から群れで生活しており、仲間からの評価を得られないと足手まといとして殺害されたり仲間外れにされて本来集団で行う狩猟ができずに餓死したりする場合があったので、それらを防ぐために承認欲求を獲得したとされています。
現代では転職の活発化やSNSの発達などによって、人間が他者から評価される場面が増え、承認欲求が刺激されやすくなっています。
刺激された承認欲求は肥大化し、見栄を張るために高級ブランド品に散在して貧窮したり、周囲の注目してくれる人に依存したりする問題に発展しかねません。
そこで承認欲求に支配されない方法について網羅的に解説します。
承認欲求に関する基礎知識を交えて解説するので、本記事を最後まで読めば承認欲求に関する疑問と不安の解消につながります。
ぜひ参考にしてください。
承認欲求に支配されない方法①正しい知識を身につける
承認欲求に関する正しい知識を身につけておけば、承認欲求を客観的に捉えられるため支配されそうになったときに冷静な対処がしやすくなります。
本項では承認欲求について、混合して覚えられがちな自己顕示欲との違い、分類方法ごとの種類、強くなってしまう原因、強い場合のメリット・デメリットについて解説します。
承認欲求と自己顕示欲の違い
承認欲求が承認を求める欲求であるのに対し、自己顕示欲は自分の存在、能力、成果などの誇示を求める欲求です。
承認欲求は他者の承認を求める場合が多いため遠慮が働きますが、自己顕示欲は誇示自体が目的になっているため自己中心的な振る舞いにつながる恐れがあります。
承認欲求の分類方法1.自己承認欲求・他者承認欲求
承認欲求は誰の承認を求めるかによって「自己承認欲求」と「他者承認欲求」に分けられます。
自己承認欲求：自分自身の能力や成果を認めたがる内発的な欲求。目標を達成したり自分の成長を感じられたりすると満たされる。
他者承認欲求：他者や世間から自分の存在、能力、成果などの承認を求める対外的な欲求。
承認欲求の分類方法2.存在承認欲求・行動承認欲求・結果承認欲求
承認欲求は何を承認されるかによって「存在承認欲求」「行動承認欲求」「結果承認欲求」に分類されます。
存在承認要求：存在自体を認められたがる最も基本的な承認欲求。家族や職場などの集団の一員として扱われると満たされる。
行動承認要求：は努力を認められたがる欲求。成果を生み出すために行った行動を評価されると満たされる。
結果承認欲求：は成果を認められたがる欲求。売り上げや改善結果などの目に見える成果を評価されると満たされる。
承認欲求の分類方法3.賞賛獲得欲求・拒否回避欲求
承認欲求はどのように承認されようとするかによって「賞賛獲得欲求」「拒否回避欲求」に分類されます。
称賛獲得欲求：自分の存在、行動、成果を認められたがる欲求。努力やアピールなどの形で現れる。
拒否回避欲求：は認められない状況を避けようとする欲求。否定されそうな行動を避けたり、否定されそうな要素を隠そうとしたりする形で現れる。
承認欲求が強くなる原因
承認欲求が強くなる原因としては以下の2つが挙げられます。
・幼少期に家族から十分な承認を受けられなかった
・他者に評価される場面が多い
幼少期に親や兄弟からの十分な承認を受けられないと、大人になってからも心の穴を埋めようとする場合があります。
現代はSNSの発達と転職の活発化によって他者から評価される場面が多くなっており、承認欲求が刺激されやすい時代です。「承認欲求」という言葉が広く知られるようになったのも、承認欲求に苦しめられている人々が増えているからかもしれません。
承認欲求が強い状態のメリット・デメリット
強い承認欲求を持っていると成果を出しやすくなるメリットがある一方、精神的に不安定になりやすくなるデメリットがあります。
具体的なメリット・デメリットは以下の通りです。
・向上心が強くなる
・パフォーマンスが向上しやすくなる
・自尊心が高まりやすい
・社交的になりやすい
・自分の話ばかりしやすくなる
・否定的な意見や態度に過敏に反応しやすくなる
・他人と比較しやすくなる
・モチベーションが下がりやすくなる
成果を出しやすいメリットも、精神的な不安定さが大きくなるデメリットによって得られない場合があるため、承認欲求の扱いは注意が必要です。
承認欲求に支配されない方法②自分の承認欲求の強さを知っておく
自分の承認欲求が強い場合、それを知っておけば慎重に扱おうとする意識が芽生えて強い場合のデメリットを予防しやすくなります。
以下に承認欲求の強さ診断を受けられるサイトのリンクを添付するので、気になったものがあれば試してみてください。なお複数の診断を受けると精度向上が期待できます。
承認欲求は時期や状況によって変化するため、「強くない」と診断結果が出た場合でも定期的な検査をおすすめします。
承認欲求に支配されない方法③承認欲求を満たす
承認欲求による精神的なダメージを防ぐ方法として承認欲求を満たすことが挙げられます。承認欲求が満たされていれば心の平穏が乱されにくくなります。
承認欲求を満たす具体的な方法は以下の5つです。
・自分を客観的に高く評価する
・成功体験を積み重ねる
・努力を行う
・SNSでポジティブな内容の発信を行う
・ポジティブな内容の日記を書く
本項では各方法について具体的に解説します。
自分を客観的に高く評価する
承認欲求は「誰かに認められたい」欲求ですが、他者からの承認は必ず得られるとは限りません。他者承認欲求から自己承認欲求に切り替え、自分自身を認める必要があります。
自分の存在、努力、成果を客観的に見て高く評価すれば承認欲求は満たされやすくなります。
成功体験を積み重ねる
成果を出すことに成功すれば他者から認められて他者承認欲求が満たされやすくなるだけでなく、「自分はできる人間だ」と自己承認欲求を満たしやすくもなります。
成功体験を積み重れば他者・自己承認欲求のどちらも満たせるでしょう。
努力を行う
成果を出すための努力を行えば、それを他者から評価されて他者承認欲求が満たされる可能性があり「自分は頑張っている」と思えられれば自己承認欲求が満たせます。
また努力に集中している間は承認欲求自体を意識しないため、欠乏に苦しめられにくくなります。
SNSでポジティブな内容の発信を行う
SNSは適切に活用すれば承認の獲得が可能です。
嬉しかった出来事や誰かの役立つ情報などを発信すれば、「いいね」や「リツイート」を集められて他者承認欲求が満たされる可能性があります。
また「自分は誰かを喜ばせている」と思えられれば自己承認欲求を満たせるでしょう。
ポジティブな内容の日記を書く
成果や努力を日記に書く習慣を身につければ、自己承認欲求を満たしやすくなります。
SNSは他者承認欲求を満たせる可能性がある一方で、全く評価されなかったり心無いコメントを書き込まれたりするデメリットもあるため、それらに苦しめられたくない場合は日記の執筆がおすすめです。
承認欲求に支配されない方法④承認欲求を抑える
承認欲求を小さくできれば承認が欠乏しているときでも精神的な苦痛を味わいにくくなります。
承認欲求を抑える具体的な方法は以下の5つです。
・ありのままの自分を受け入れる
・他者との比較をやめる
・自分の感情を書き出す
・承認欲求を意識する時間を減らす
・承認欲求が刺激される状況を避ける
本項では各方法について効果のある根拠を交えて解説します。
ありのままの自分を受け入れる
ありのままの自分を認められれば誰かから認められたいと思わずに済み、承認欲求を抑えれます。
「○○できたから自分が好き」と自分を条件つきで肯定するのではなく、「自分はありのままの自分が好き」と無条件に自分を肯定すれば承認欲求から支配されずに済むでしょう。
他者との比較をやめる
自分と他者を比較すると、その人より努力や成果を認められたいと承認欲求が刺激されて劣等感に苦しめられる恐れがあります。
基本的に自分より優れている人は必ずいるため劣等感の完全な解消は難しいうえに、優越感を得るためにマウンティングしてしまう恐れもあるため、他者との比較はやめるべきです。
自分の感情を書き出す
承認欲求に支配されているときは主観的になり過ぎているため、「褒められたい」「批判されて悲しい」などの感情を書き出して自分を客観的に見られるようにすれば冷静さを取り戻しやすくなります。
また自分が何に喜び・悲しむのかを分析して、自分の機嫌の取り方が分かりやすくなるのも感情を書き出すメリットです。
承認欲求を意識する時間を減らす
承認欲求は意識すると刺激されてしまうため、意識しないようにすると支配されにくくできます。
具体的には趣味や仕事などで没頭できる作業を見つけて打ち込めば、承認欲求を意識せずに済むでしょう。
承認欲求が刺激される状況を避ける
現代はSNSや転職の活発化などで承認欲求が刺激されやすくなっているため、意識的に避けるのをおすすめします。
承認欲求によって苦痛を感じているときはSNSでの活動や転職活動を一時的に休止すると良いでしょう。
承認欲求を適切に扱って平穏な生活を送ろう
承認欲求は自分に合った方法で満したり抑えたりすれば、精神的な平穏を獲得して快適な生活を送れます。
最後に本記事の内容を簡単にまとめて記載するので参考にしてください。
承認欲求に支配されない方法は以下の4つ。
【①正しい知識を身につける】
・承認欲求は承認を求める欲求で、自分をアピールしたがる自己承認欲求とは別物
・承認欲求にはさまざまな分類方法と種類がある。誰の承認を求めるかによっては「自己承認欲求」と「他者承認欲求」に分けられる
・承認欲求は幼少期に家族から十分な承認を受けられなかったり、他者に評価される場面が多かったりすると大きくなる
・承認欲求が大きいと向上心が大きくなる一方、精神的な安定を損なうデメリットがある
【②自分の承認欲求の強さを知っておく】
・自分の承認欲求の強さを知っておけば、大きいときに慎重に扱えるようになる
※診断方法は本記事を参照
【③承認欲求を満たす】
・承認欲求を満たす方法は、自分を客観的に高く評価する、成功体験を積み重ねる、努力を行う、SNSでポジティブな内容の発信を行う、ポジティブな内容の日記を書くの5つ
【④承認欲求を抑える】
・承認欲求を抑える方法は、ありのままの自分を受け入れる、他者との比較をやめる、自分の感情を書き出す、承認欲求を意識する時間を減らす、承認欲求が刺激される状況を避けるの5つ
参考：
https://kenjins.jp/magazine/president/44617/
読んでいただきありがとうございました。
あなたが承認欲求に飲み込まれませんように。