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BARロッケン 深爪深夜の物語
ごちゃごちゃとした駅前の繁華街を抜けた先にある雑居ビルの細い階段を上がった先に「ロッケン」というバーがある。
バーテンダーの深爪深夜(ふかづめ しんや)が開店の準備をしていると階段を上がってくる音に続いて顔を覗かせたはコントレイルのオーナーである、今賀園朱鷺(いまがその とき)。
「朱鷺さん結婚式?」
いかにも結婚式帰りであろうパーティードレスに身を包んだ今賀園朱鷺に深爪深夜が声をかける。
カウンターの席に腰をかけて突っ伏しながら
「だんだん人の結婚式に出るのが億劫になってきたわ
ああ、いつになったら純白のドレスが着れるのかしらね、ねぇ、どう思う深夜君」
「世の男に見る目がないんですよ」
「それって、慰め? 私がこんな時間にこんな格好でやってきてるのに、何かあったんですかとか聞いてくれないの」
「何かあったんですか」
「・・心こもってない言い方、ま、いいわ」
つづく