
十九人単独ライブ『ファンク』
9/8-9/9にプーク人形劇場で開催された、十九人単独ライブ『ファンク』に行ってきました🐳⚡️
即完→追加公演という人気公演でしたが、ありがたいことに3ステ全通できました。
一番好きな芸人さんの単独を、同じ時代に目撃できたことは幸運なことです。
備忘録として、香盤に沿ってレポを記しておきます。
客入れ〜オープニング
客入れは松永くん(DJプロペラトルティーヤ)による至極のファンクミュージック集
音楽に明るくないので、ファンクがなんだかよくわからないで当日まで来てしまったのですが、多分これがファンクです
この後もずっとファンクでした
↓ご本人作成のプレイリストです
https://open.spotify.com/playlist/6FHdgwIrJJFdGApBov6PTX?si=_TlsWSOxS3yG89o34_PBdQ
M0が流れた後、わーとかうわーとか言う十九人のふたりの声がどこからともなく聞こえてきます。
声の主は後ろから現れた黒子…もとい、彼が両手につけた十九人パペット。
通路を通って客席に上がり、パペットたちが開演前諸注意をアナウンスしてくれます。
プーク人形劇場は緞帳からしてこんな感じの人形をあしらったかわいくてちょっと不思議な雰囲気なので、この幕の前にパペットが立つと、一気に世界観に招待された気持ちになる。

パペットたちが話していると雨雲がやってきて、大きな雷が落ちます。
(9/8夜公演はちょうど台風の終わりかけだったので、4DXみたいな臨場感を味わえました⛈️)
雷が落ちたあたり、緞帳が上がった舞台の中央からせり上がりで登場したのは、フライヤー衣装でポーズを決めた十九人!
ゆッちゃんwはちょっとぷるぷるしながらもニッコニコ笑顔、松永くんは微動だにせずハイブランドのモデルのようにビシッとキメて登場してくれました。
「勝ち確」
さすがにこの言葉が浮かびました。

漫才① 松永の指が取れた
登場して1本目は、豪奢な衣装でそのまま漫才してくれるサービス精神!
いつものカジュアルさからは一変して文化的すぎる装いのゆッちゃんwですが、そこからさらに裏の裏を行くかのように、いつにも増して"""小学生"""なテンションのネタで、舞台も客席もエンジンがかかります。
「お笑いに、熱中しよ!!!」で終わるのもおかしいながらも情熱的で、スタートダッシュにぴったり。
ねじれネジも好きな身としては、トッキーの「お笑い中止ー!」をパロってくれたのが、うれしい🎶
オープニング映像
ゆッちゃんwが自分の部屋で目を覚まし、リビングに出て松永くんとひたすらたくさん食べる映像。
最近見てるって言うし、チェンソーマンの早川家みたいだな…と思っていたら傷だらけの天使のパロディらしかった。見てみたら確かに忠実なパロディだった。新聞紙前掛けとか。松永くんの好きの幅は広い。
ゆッちゃんwが最後に飲んでた水で水浴びするところが、あまりにも我々の好きになった自由さで、客席がこれだよこれ!という空気になったのを感じました。
後日『どっちも』(アフタートーク&ゆッちゃんwの誕生日イベント)で聞いたところによると、原典再現のためにギョニソを口で開ける練習をしたらしい。かっこよかったです。

もちろんおいしくいただきました
漫才② CamCamのスカウト
個人的には 今回の漫才の中では一番好きなネタだった!
「三千里!三千里!」と叫びながら甘栗を買い頭から被ってるところで、CamCamの人に声かけられるゆッちゃんw
この一連の流れで、渋谷のスクランブル交差点の情景がありありと浮かんだのがうれしかった!
その後も渋谷のツタヤにCamCamを買いに行ったり、十九人に珍しく、誰もが想像できる実際の場所を舞台にしていて、(すっかり東京の芸人さんだ…)と、彼らが東京で重ねてきた年数に想いを馳せたくなりました。全然知って半年とかではあるんですけど。全然ニワカではあるんですけど。
「CamCamのネタで、あんだけ見たくない見たくない言ってたのに最後にCamCamを『面白い』って言うところまでちゃんと入れるのが十九人っぽい。めっちゃ最高ズならCamCam本社爆破してる」(めっちゃ最高ズ おばた最高)
↑
これに尽きてしまい、他の感想を出せない
コント① ホームルーム
演技というものがどうしようもなく大好きな人間なので、コントの文章量が不自然に多くなります。
まず松永くんの不良生徒が良い。あの髪型で、落ち着いた声色で不良は無理があるだろと思いきや、ギラついた笑顔と若さが説得力を持たせている。昭和の不良ってこんなかな…と思いを馳せたりしました。「先公」とか言ってるしね。「何それ 容赦しないって」「馬鹿じゃねえの やれるもんならやってみろよ」こんなセリフを松永くんの口から聞ける日。
ゆッちゃんw演じる女性教諭は、登場した瞬間の読めなさが良かった。生徒に舐められてる、というには芯がありそうな感じ。
詩的な容姿の二人だから、「先生と生徒」という普通の設定でもドラマを感じさせるのに、そんな予想をぶった切る銃声とムーディーなBGM。
爪先とか太腿とかニッチなところ撃ってたのがなんか、十九人っぽかった。太腿ってだいぶ撃たれたらヤバいとこなのに 本当に容赦しない
「この教室にはあなたと私以外誰もいない…」は本当になんだったんだ。意味なんかないんだろうなと思いつつ、曲選と合わせて聞いてみたい。
ちょっとだけ竹内ズを思い出したりした。
漫才③ ゆッちゃんw製麺開幕
十九人のメタ認知が光るネタ。
いつものように1人複数役の自己ルールで大暴れしていたゆッちゃんwが不意に「1人だ…」と気付いてしまう筋であるが、ラスト、ずっと横で見てくれた松永くんの温度差のあるリアクションにまた「1人だ…」と呟く。まさしく「ボケをしても一人」という状況。どんなに他者に囲まれていても、理解されない限り我々は孤独だということを表現している。
同じ「1人だ…」を通して、幼児期に気付く自己の輪郭と、青年期に気付く真の孤独を描いているのだ。十九人のネタに珍しく静かなビターエンド。傑作。
(哲学者ジュー・キューニーン)
このオチはゆッちゃんwが考えたそうです。ゆッちゃんwオチ、また見たい。
松永ピン(ギャグ)
ゆッちゃんwパペットにせがまれての、松永くんのギャグ5連発。
雰囲気のある容姿から繰り出される、彼の本来の資質っぽい遊び心満載のギャグが良い
ゆッちゃんw落語
素人落語ライブを見逃したのは痛恨だったけど、再演してくれてありがたい限り。
筋はまんじゅう怖いだけど、ツカミ(落語でもその言い方なの?)で「魚と米とワサビっていうパーツが全部嫌いだから、結果として?結果として寿司が苦手なわけですが」というゆッちゃんw節が入り、初日verでは登場人物も同じことを言うなどのオリジナリティがあった。
流暢にたくさん喋ってるゆッちゃんwは新鮮だけど、上手い!
ちゃんと上手いところから突き落とす衝撃のオチ。これは実際に配信で見てもらいたい。
コント② 銀河鉄道
ぎ、銀河鉄道〜〜〜〜〜!???????
(成仏)
🚃🌌🪐🍪🪩
今公演で一番心拍数上がった瞬間でした。
沢山といえば銀河鉄道、銀河鉄道といえば沢山でやらせてもらっており、鍵垢でもしも十九人が「コント 銀河鉄道」をやったら、の台本を考えたりしてました。キモすぎる。キモい夢って叶うことあるんですね。
「あの星を見て」と松永くんが囁くところだけでチケット代の元が取れる。
フライヤーの衣装は近未来の宇宙に生きる人々だったらしい。事務所の方のアドバイスで衣装採用されたらしく、あまりにもナイスアシスト。
これに関するゆッちゃんwの「銀河の葬式は紫と金らしい」という発言も、なんだか詩的で好きです。
童話みたいにきらきらしてるけどちょっと格好つかなくて、心温まる素晴らしい物語でした。
松永くんって、コントだと自分が格好つかない台本を書きがちだけど、容姿がかっこいいだけにその悲哀感が絶妙に面白い。天才だと思う。
半分になってしまったビスケットが消え物で出てくるネタ。アフタートークイベントではコラボメニューとしてちゃんと出てました。洒落てる〜

紫と金になる🟣🟡
漫才④ 選挙活動
何を変えたいの!?そう、\パンッ/ 日本だ〜〜〜〜!!!!!!!!!
十九人のカオスな部分を特に凝縮したネタ。主題からどんどん脱線していくゆッちゃんwワールドのスピード感を感じさせるこのネタがラスト!
ED
なぜEDで1項目作っているか。十九人はエンディングの最後の最後まで世界観から逃がしてくれないから🫵
幕間をつないでくれていたパペットちゃん立ちですが、ふわふわした会話をよく聞くと、「僕もゆッちゃんwみたいに漫才したいなぁ」から「僕も本物のゆッちゃんwに、なりたいなぁ」にニュアンスが変わっていっている。
十九人がパペットの2人にもお礼を言った後、文字通り雲行きが怪しくなり、「体、貸してぇ…?」とにじり寄るパペット。後ずさる十九人(ここ2人で支え合って後ずさっててかわいい)。次の瞬間、開演の時と同じ大きな雷が落ち、暗転。
明転すると十九人は舞台の中央に立っている。しかし様子がおかしい。新しい体を試すようにぎこちなくぴょんぴょんと飛んでみせるゆッちゃんw。
「十九人単独ライブ 『ファンク』」「それはジャンプ」と、2人の口から漏れるのは肉声ではない。この1時間半でなじみになったやりとりも合わせて、パペットたちのもの。
「ご来場、誠にありがとうございました」
ぶらぶら、かくん、と覚束ない関節で手を振ってくれ、緞帳が降りる。
スッゴ〜〜〜〜〜〜イ!!!!
初日はカーテンコールもなかったので、本当にこれで終演したんです。
推しが人形に乗っ取られて嵐の後の新宿に放り出されるファンの気持ちよ。
めっちゃ最高でしたね。
十九人 君たちは めっちゃ最高
おわりに
今回の公演には、たくさんの皆様からご協力いただけて、フラワースタンドを掲出することができました。

今ファンにできること、届け!という気持ちで共同主催の方、主催グループの方々と(ややこしい指揮系統)数ヶ月準備してきましたが、こんな素敵な公演でお返しされてしまいました。
ったく、十九人のファンってのは飽きねぇや!
私たちはこの台風一過の2日間を忘れないし、十九人はまた何度でも嵐を呼んでくれるでしょう。
人形劇場にいたみんな、また同じ雷の下で会おうね。