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Photo by
saekiharuka
エーデルワイスの魔法書店 春 〈自分の直感を信じて〉第一章
第一章 エーデルワイスの魔法書店へようこそ
暖かい春の日に、一人の青年は森で道に迷っていました。しばらく歩くと少しひらけた場所に出ました。そこには小屋がありました。彼は、中に入れてもらおうとドアの前に立ち、ノックしようとしました。しかし、彼は手を止めました。彼の目には“ エーデルワイスの魔法書店 ”とかかれた看板がうつっていました。ばかばかしい。魔法なんて、あるわけないのに。と彼は思いました。けれど、不思議と戻ろうとは思えませんでした。このドアの奥に何か素晴らしいことがあるような気がしてならないのです。彼は、勇気を出して店のドアを押しました。
店に入ると、最初に目に入ったのはきちんと整頓されたたくさんの不思議な本たちでした。どれも、今までに見たことのない本ばかりです。けれど、彼はもうばかばかしいとは思いませんでした。
本をめくる音に気付き、その音の方を見ると、不思議なオーラを纏った少女が、机に腰掛け、本を読んでいました。よく見ると、彼女の周りにはエーデルワイスの花がいくつも咲いていました。小さく、白い。清らかで美しい。この少女は、まさにエーデルワイスのようでした。
彼が少女に見とれていると、彼女は青年の視線に気づき、手を止めました。
「いらっしゃいませ。エーデルワイスの魔法書店へようこそ。お客様に気づかず、ごめんなさい。本に夢中になっていました。」
ふふふ、と笑う彼女で青年は我に返り、曖昧な返事をしました。
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