
みつばち春宣言。
道北の町にも、春の兆しが見られるようになってきました。
今はまだ雪が残っているので、みつばち達は師匠の倉庫の中で、春を待っているところです。
みつばちは冬眠してるの?と、よく質問されますが、冬の間もみつばちは起きていて、女王蜂を中心にギュッと集まって暖をとっています。
雪解けまで待っていては、みつばちも苦しい(巣箱の中ではうんちをしないので、気温が上がって外に出られるのを今か、今かと待っています)ですから、なるべく早く越冬解除してあげたい。
3月に入ったら、融雪剤を散布して巣箱を設置する場所を空けておきます。
地面が出たら、倉庫に並べていた巣箱を外に出し、並べます。
これが大体3月の中旬くらい。
この時期でも、まだ気温的には厳しくて、巣箱を開けて中を綺麗にしたりするには寒いです。
みつばちがちょっと巣箱から出て、脱糞飛行をするくらいは大丈夫ですが、それでも春先は脱糞飛行からも帰ることが出来ない位、急に冷える事もあります。
気温が下がれば、みつばちは動けなくなって、そのまま寿命を迎える事になります。
それは去年の秋に生まれたウィンタービーの寿命が近いから、という事もあります。
みつばちには、春から晩夏くらいまで活躍するサマービーと、晩夏から生まれて、春を迎える時まで群を維持するウィンタービーがいます。

ウィンタービーは体脂肪が多くて寒さに強くなっています。
サマービーは、花の蜜や花粉を集めて貯蔵する、育児をフル回転で頑張る、外敵から巣箱を守る。などの仕事がてんこ盛りなので、寿命は一カ月から一か月半くらいです。
ウィンタービーは、初めの方こそ育児をしますが、気温がグッと下がったら、あとは飛ぶ時に使う筋肉を震わせて発熱して、巣箱の中を冷やさない事を仕事にします。
遠くに飛んで行く事もないので、ふっくらとした体を活かして保温係としての役目を果たします。
仕事としては地味ですが、ウィンタービーの質が悪いと、越冬出来ずに群が崩壊してしまいます。
だからウィンタービーが生まれて来る時期は、花粉が重要になります(花粉は幼虫の餌)。
この時期に良質な花粉が何種類もあれば、来年に期待出来ます。
ナチュラルビーキーパーとして、来年への大切なバトンをうまく渡してあげられるように、蜜源・花粉源植物を、たくさん育てたい、そう思っています。