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着物の世界のアリス①
中川家と友近さんが、着物の着付けをするコント動画を見て、
「雰囲気出てるー」と、
思いました。
娘が小学校入ってわりとすぐから日舞をやっていたのですが、
先生が安く教えてくれるんだけど、
どんどんステージの客寄せや
ボランティアに出して行くタイプで、
一時期、舞台のバックステージに
私も迷い込み、
ワチャワチャしてました。
それはそれは、華やかで賑やかで、
慌ただしく、覚える事の多い、
異世界でした。
そもそも、娘のお友達のお母さんが、
たまたまJRで会った日舞の先生(女性)をナンパしてきて、
近所で身内で習えるならラッキーだね、
と思ったが、ところがどっこい。
ヒャーっ、というくらい、
親子ともにやるべき事が多かった。
覚悟なんて、全くなかったですし。
まず、着せられないけど、
着物を着せなければ始まらない。
練習着の浴衣くらいは良いけれど、
舞台用はがっつり派手な振袖を探して着せなければならず、
先生の紹介してくれた、
普通は見つけられない謎の場所にある、
中古着物屋さんに行くと、
ものすごーく安いのは良かったけど、
お裁縫地獄となりました。
襟も付けないといけないし、
肩上げに腰上げとサイズ合わせをしまくり、
髪飾りも作ったり
センスを問われながらの、
あれやこれやの初めての体験。
さらに、
舞台の演目に合わせたイメージの帯を各自探せー、とか、
揃いのこんな感じの花かんざしをー、
とか、宝探しに駆けずり回る日々。
舞台のみならず練習も、
「どこやそこ?」みたいな聞いたこともない場所に、
随分早く入らなくてはならなくて、
「私は、なぜここに」
と、ふと思う瞬間が、
何度かありました。
神社の奥の奥とか、いろんな楽屋とか、
普段は入れない場所にたくさん入りました。
そして、ピョンと飛び込んだ娘の後を追いかけて、
迷い込んでしまったたくさんの艶やかな着物の舞い飛ぶ場所で、
着付けと化粧と髪結いの戦争が
始まるのです。