出産直前極限エンタメ②鹿男あおによし
2人目の出産の時のギリギリエンタメは万城目学先生の小説:鹿男あおによしでした。
ドラマ化もした有名作品で、当時勢いがありました。
これを読んだ日の状況としては、
破水したのに今回も誰もおらず、上の子を連れてタクシーで病院に行き、
病院ではなぜか階段しかなく、
妙に高い段を子供を引っ担いで2階に上がってそのままステイ、
なんとか上の子供を身内に預けたと思ったら、
やっと来た主人が持ってきた本の一冊がこの本、という流れでした。
しかし主人はベットの横で、飲み始めて鹿男を持ったまま酔いつぶれ、大きないびきをかく体たらく。
個室ではあったものの、隣が気になって揺り起こすと、
「あ、読む?」と聞かれ、
その後主人がうるさくなったら時々起こしながら、暇つぶしに読み、読了しました。
私、「読む?」と言われて
断った事は無いので。
※ここでも書いてました
当然すごく痛かったですが、
本の内容が良い感じにテンポ良くて、
魅力的だったので、おかげさまで気がまぎれました。
真面目すぎる本だときつかったと思うので、
ちょうど良かった。
ただ、
内容に関し、少しまじめな話をすると、
当時は軽さが良い、と感じたのは確かですが、
その後東日本大震災があり、
ちょっと感覚が変わりました。
地震を防ぐために、未知の業界?神様界隈?を奔走する主人公の話で、
微妙にローカルな感じで、全国でもなく地球の滅亡もかかっておらず、
コメディにはこれくらいのスケールの災厄がいいのかな?
と、読んでた時に思ってしまった記憶があります。
自分が陣痛に苦しんでたタイミングというのもありますが、
結局、その時は、
地震をなめていたという事に尽きると思います。
京大出の作家さんだから、
阪神大震災を意識して、実は大ごととして書いていたのかも知れませんが、
世間的には、
「また来たら困るよね、地震」、
というモチーフとして楽しめる余裕があった時期だったと、正直思います。
今なら、読みながら、
「地震が起きるかどうかの瀬戸際で、へましてるんじゃないよー」と
多くの人がイライラしたに違いなく、
ドラマ化もしばらくはちょっと厳しかったのではないかと感じます。
本当に地震をなんとか抑え込む方法があるのならば、
どんなに素敵な事でしょう。
今となっては、
ものすごく切実な夢のあるファンタジーになってしまった気がします。
さて、
その時生まれた子供は鹿の顔には似ておらず、
ただとっても心配症です。
しかし
いろんな意味でギリギリまでエンタメに寄り添われた人は、
それなりにいると思うので、
周りにも聞いてみたいと思います。
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