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山の七夕の思い出
山の七夕は、笹を切ってくる事から始まります。
実は、私の小さい頃の認識では、
笹飾りは川の神様への捧げ物、
でした。
笹はいつも3メートルくらいのものを、祖父が切ってきてくれていました。
なお、クリスマスは2メートルくらいのモミの木を切ってきてくれていました。
なので、イベントごとの思い出としては、大きな木をわさわさと持ってくる祖父の姿が焼き付いています。
やっぱりワクワクしました。
笹は縁側に置いて、たくさんの短冊や折り紙で飾り付けをしました。
縁側に立って飾りを付けられる位置に固定するので、たくさん付けられました。
笹が大きくて、たくさん飾りをつけないと格好が悪いので、いつもとても大掛かりで大変でしたが、
川の神様への信仰があったので、一生懸命作っていました。
折り紙でちょうちんや、星、チェーンをたくさん作りました。
短冊を束で用意し、大人も子供も願い事をとにかくたくさん書いて、どんどんつけました。
短冊をつけるためのこよりは、習字のための半紙を細く切って、こよってツイストして作るのですが、
細く固く作るのが、ちぎれない上手なこよりで、テクニックがいるんですよね。
最初は母のように上手につくれなかったのですが、だんだん上手に作れるようになり、職人のようになっていました。
(なお、余ったこよりは、鼻がムズムズする時にくしゃみですっきりするために使われていました。)
七夕の日は、笹のついでに切ってきた竹で作ったコップで、飲み物を飲みながら、笹に向かって歌を歌って、そうめんを食べたりしました。
夜は天の川が気持ち悪いくらいはっきり見えていたのを、
ありありと思い出せます。
あれが彦星だねー、とか言っていましたが、正直星が多すぎてなにがなんだかでした。
七夕が終わると、早めに笹を川に流しに行きました。
川の神様に願いがかなうことを祈りながら流していました。
正直気になってはいましたが、紙の飾りごと、どーんと流しており、
大人が「溶けるから大丈夫」と言うので、そうかと思っていました。
まあ、自分の山を流れる川だし、ある程度は許されたのでは。
当然どこかで引っかかることは多かったのですが、
気になって見ているうちに、台風が来たらいつのまにかなくなっていました。
そうしたらやっと願いが叶うと思っていたので、ホッとしました。
ある意味願い事が、外(川)に出る、ソーシャルなイベントだったので、
あんまりフリーダムな願い事は書けませんでしたが、
確かに信じ、世界の平和とかを願っていました。