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忘れていた理由①(TMと花ゆめ)

急に話が暗くなるのですが、なぜ私がTMNETWORKの事をすっかり忘れていたのかの理由。
それは辛い時に助けてもらったからこそ、無意識に辛さと結びつけ、それを意識下で回避していたからかな?と思います。

10代に気持ちが離れた、というより気持ちを手放したのは、TMさんがテレビに出始めるなど、メジャー化してくるに連れ、大人たちの声が聞こえて来たからでした。

「子供っぽいお遊びのピコピコ音楽」「男のくせにクネクネとした動きと甘い声の下手な歌」
昭和の時代です。ジェンダーバイアスなんて言葉はありませんし、公で言うことも結局は個人的意見が横行していた頃の話です。

今でも田舎は新しいものに否定的な傾向はありますが、そんなものではない偏向の中で、育ってきた最も弱い存在が、当時の女子と呼ばれる子供たち。“ネアカ"を演じられる一部を除いてみんな。

正直いやらしい意味で早く"オトナ"になれなれ、と言われ、本当は好きなものをひどく言われても、愛想笑いを浮かべて頷きながら受け入れるしかできない。

情報も分断されていて、周りや雑誌に寄稿されるような批評家の声が全て。

そんな中、テレビに出ても見たいとは恥ずかしくて言えず、結局ビジュアルをよく知らないままだったのです。

こうして、ワガママの言える(普通の事だけど当時はそう思っていた)家族の部屋から聞こえてくるCDの音や、布団の中でこっそり聞くラジオでしか知らないけれど、完璧に歌えるほど心に残ったもの。

それがTMさんが大人の声なんてものともせずちゃんと売れて、それを支えてきたFANKSと呼ばれる皆さんに、感謝の気持ちがいっぱいです。

そのおかげで、過去に置いてきたものではあるけれど、40年越しに救われた子供の心が確かに存在するのです。

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