~旅日記~おもいで、ひとつ。
野良のきみ静かなる意思憂い抱き
この歳にまた胸に刻めと
居ずまいを正して吾を見上げれば
やっと来たんか 言ってるような
その世界なにが見えるの?きみの目に
そっと教えてねえ野良よ
思いがけなく出会えたるきみの瞳を
忘れない 川の広さと青い空と
道後の湯老いて懐かしかつて来た
お遍路道のおもいで浮かびて
一隅を彩る花のつつましさ
吾もなりたい照らすひとに
なにげないことばひとつを投げかける
それでいいよとまっすぐ吾に
鳥たちのさえずる下でほどけてく
凝ったこころの ほどけてくよな
あ!
乗ってみる?あの日が駆けて笑い来る
無心でこいだぼくの車を
止まってよ今 この時が逃げぬよう
時よ風よ 空よ雲よ
小さな手握ってたんだあの頃は
今日一日が笑んで行った日
さあ帰ろ ちいさな旅も終わりだね
また来るねって 線路のひかりに
半年は帰らないのとつぶやいて
息子を送り友は歳いく
新大阪からのぞみに乗り、広島へ。宮島、呉、それから松山。ちゃんと見なかった広島の町、呉の町。そしてお遍路さんで何度か訪ねた松山、道後。夕闇が迫るまでぼっちゃん温泉、あの界隈で時を過ごしこころほどけた。そして、大洲城を訪ね、珍しく観光客の少ない地で 日本の奥深さを肌で感じた。何キロも何キロも歩いた。用水には鯉が泳ぎ町並みは落ち着いて穏やかで、この町にひとが住んでいる静かな息づかいを感じた。春には満開の桜が川べりや城の周りを彩り美しい自然を胸いっぱい感じられるだろう。
臥龍山荘、お殿様の別荘。なんとも言えぬ佇まい。そのお隣の公園には、愛しい顔をして思い出たちが走りくる、贈り物をくれた。
ああ
面白かった。