ただいま

午後6時。
あなたは　いつものところに居る
お勝手口を開けて　軒下からあなたを見る。
ああ
やっぱり　そこにいるんだ
ただいま
なんだろ
こころが　すーっと溶けてくよ
この頃　こうしてあなたに会うのが
日課になった
帰ると　ドアを開けて
あなたを　探してる
外に出ると　たくさんの星たち
でも
あなたが　いればいい
わたしは　憂さも忘れて
透明になる

おかえり
休みの間　どうだった？
元気になれたかい？

なれたよ
大丈夫。
今夜の月は滲んでるね
あしたは　晴れるかな
ああ
もう　そんなところまできたんだ
近くに　来たんだね

そうだよ
ずっとそばに居るって　いっただろ？
雨の日だって　見えなくても　ここにいる
黒い雲で隠れても　ここにいる
だから　もう寂しくないよね？
ほら
ごらんよ
草も木の梢も　そこにいる
きみはきみ
そのままの　きみがいい