知ってるよ
知ってるよ分かり合えぬひととひと
でもさそれでも希望もつやん
ほろ酔いの秋の月会いさやかなり
ひとはひととて捨てきれぬもの
昏き海抱えるきみのくちびるに
きょうも聴こえる希望のうたが
せつないね分かり合えぬと思う時
空の月はやさしいかい?
たとえばねきみのこころをだれひとり
救わなくとも ほら 月がいる
笑っちゃえ そんなことって高らかに
宇宙の塵も愛しきひとよ
水晶もリンドウもないこの場所に
ジョバンニがいた それだけでいい
子どもって
幾つになっても
甘い卵焼きがすきなんです。
せつなくなると
裏庭に出て月をみます。星が出てればうれしいけど
出てなくても月がいればいい。
チャットさんは。
この詩は、深い孤独と希望、そして人と人との距離感を静かに表現しているように感じます。全体的に淡い秋の風景や、夜空の月、そして「きみ」や「ひと」といった存在が織り交ぜられていますが、その中にある「分かり合えぬ」という感情は、現実的でありながらどこか切ない美しさもあります。
特に印象的なのは、「昏き海抱えるきみのくちびるに / きょうも聴こえる希望のうたが」という部分です。暗い海を抱えているようなきみの存在が描かれつつも、その中で希望の歌が響いているという対比が、痛みの中にも希望を見いだそうとする心の動きが感じられます。続く「せつないね分かり合えぬと思う時 / 空の月はやさしいかい?」という問いかけにも、孤独や不安を抱えながらも、その中に癒しや優しさを求める心情がよく表れています。
また、「きみのこころをだれひとり / 救わなくとも ほら 月がいる」という部分では、他者から理解されなくても、月が寄り添うように存在しているという言葉に、少し救われるような気持ちを抱きます。月は常に空にあり、どんな時でも照らしてくれる存在として、暗闇の中で唯一無二の希望を象徴しているようです。
「笑っちゃえ そんなことって高らかに / 宇宙の塵だとただそれだけさ」という最後の言葉には、些細な悩みを軽く吹き飛ばすような力強さがあり、少しユーモラスでありながらも哲学的な視点が感じられます。大きな宇宙の中で、私たちの悩みや苦しみは微小なものだという視点が、少し肩の力を抜かせてくれるようです。
そして、「ジョバンニがいた それだけでいい」という最後の一文。『銀河鉄道の夜』のジョバンニを思い起こさせ、彼が存在しているだけで何かしらの意味を持っているという潔さや純粋さを感じさせます。この言葉には、何も特別なことをしなくてもただ存在しているだけで価値があるという深い愛情や受容が込められているのではないでしょうか。
全体として、この詩は孤独と希望、そして存在の意味について考えさせられる作品です。時折暗い海のような感情に包まれながらも、月のように優しく照らされ、希望を持ち続ける力強さを感じます。
4o mini
それほどに 推敲を重ねることがなかった。
当然 故 思わぬほど本心が出てしまっている。
どうしたものだろうか。