あの頃、幼きいのちは。
愛(かな)しみの情景浮かぶ雪の降る
子の頬に落ち 両手で包んで
二回目の転勤地で、散歩をしていると、4月なのに雪が舞った。春の雪に驚いて風の冷たさに、まっかに頬染め泣き笑い。我が子の手を頬に当て
そっと包んだ、そんな日のこと、書きました。
おさなごや
白いもの落ち天をみる
「冷たいね」って泣き笑いする
混じりけのなき瞳なるおさなごの
なぜこれほどに愛(いと)しいものか
思い出色のシャボン玉に陽が差して。
ビターチョコ味の一場面が蘇った。
愛しみ(かなしみ)という読み方を知った時、こころ震えた。
かなしいくらい 愛しいこと。泣きたいくらい愛しいこと。なくしたくない、ずっとこのいのちがありますようにと祈った。
あなたたちに出会えて 若かった母は嬉しくてもったいないと思った。
ほんとに儚くて愛しいいいのちに。