ふんわりと　音楽で。

庭で　ひそひそ話してるのは　だれ？
ん？
ちっちゃな影。。。

ねえ
虫くんが　いう。
おはよ。
「昨日の夜　どんな夢みた？」
「うーん、どんなだったっけ・・・・・。」
ん？
「よく憶えてないんだけどね。　なんかね　遠いおそらのもっと遠いところに行ってた・・」
へえ　それから？

「そしてね　海を渡って　知らない町を過ぎて・・・見たことない町だよ」
うん
「それから・・・見覚えのあるひとがいるんだけど　わかんないの。」
思い出せないの、すごく　なつかしい気がするんだけどね」
うん
「すごく遠くてね。　そのひとのあったかさしか思い出せないんだ。
そして　姿が見えないの」
そう
「それで　ふと　いい匂いがして　目が覚めたの。そしたらね
お隣りの薔薇の花が開いてたんだよ！」
え？
「夕べ　凄い雨が降ったでしょ？薔薇さん　震えてたんだよ。でも　今朝
開いたんだよ！お花。」
ああ！
「虫君が　おはよって　言ったからかな」
・・・そうかも。

「やっぱり　ここがいいよ。虫くんがいるし　薔薇さんもいるし・ね。」

そうだね。。きみは知らない。薔薇のかなしみとか空のせつなさとか。堪えきれずに　大泣きして　ざあざあ降りで　ごまかすこととか。
でも知らなくていいんだ。
ここにいるだけでいい。

ちいさなものたちの　おはなし。
こっそり聴いて　空見たら　白い雲が　ぽっかり。
「みんな　おはよ」
ここは　平和だ。