コスモス
朝起きる。
いつものようにカーテンを開き、窓から庭を見る。
と、一輪の小さなピンク色の花が咲いている。
「ん?何?」
ナント、コスモスが咲いている。
そういえば、二か月前に道の駅で買った苗だった。
この秋に咲くだろうと鉢に移していたものだった。
まだ6月。
なのに、咲く?
秋桜?
夏桜になっちゃたなあ。
まあ、どっちでもいいけど、今咲くと秋には咲かないんだろうなあ。
一輪の花が咲くことを、日に日に待っている楽しみが無くなったようで残念。
咲かないのも悲しいけど、早く咲いちゃうのは、咲いた喜びよりも戸惑いを感じる。
のは、贅沢か?
小学校から下校していた孫と出会う。
「ジイジ!」
こちらを見て嬉しそうに大きな声を出す。
今までは母親に連れられて帰った道を今は、妹を連れて帰っている。
妹のランドセルの蓋がふとした拍子に開いた。
すると、それに気付いた孫が黙って蓋を閉じてやる。
大きくなったもんだ。
あまり早く成長するなよ。
のは、贅沢か?