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コスモス 2

いつもお読みいただきありがとうございます。
続編です。

1袋だけ売れ残っていたコスモスの種を見つけた。
種まきの時期、暖かい地域でも遅くとも7月までと書いてある。
来週は既に9月になる。

価格を見ると、他の種は二袋で百円なのに、このコスモスだけ一袋が百円とある。
『なんで?』
賞味期限過ぎてるから、逆に半額だろう。
持っていた袋をそのまま元の棚に戻す。

レジに並んでいる奥様の溢れるくらいのカゴを覗く。
「特売日やいうて、えろう沢山買うんやな。こっちは、欲しい物も買わへんのに」
ぼそっと声が漏れる。
「特売日やから、少々高いモン買えるねん。何?何か足りひんの?」
「ごめん。忘れてたわ」
急いで、先ほどのコスモスの種を取りに行く。

「なんやねん。コスモス?もう植えても遅いんとちゃうの?9月やで」
「道の駅で買ったコスモスは6月に咲いてもうて、もうこの秋には咲かんやろ。もしかして、こっちは咲くかもしれん」


暑い夏が過ぎ

いつの間に11月のある寒い朝

ピンク模様のちっちゃなコスモスが咲いた。
わずか一輪だけ。

何が期限切れや、ちゃんと咲いたがな。

一輪だけやけど、、、

思わず、微笑む。



息子の嫁さんに
「三人目もええんとちゃうの?」
と聞く。


すると、優しい眼を向け、まるで子供をあやすように、

「お父さん。何もかも思い通りにはなりませんよ」

ふふっ、おっしゃる通りや。



コスモスのようにはいかへんわな。


しあわせって望むものじゃなく、

今、感じるもんらしい。




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