トイレ 2
雑居ビルのトイレ。
その階には、そこ一ケ所しかないせいか、男女兼用となっている。
かなり古い建物で、おそらく、以前は男性用の立ってする小用便所ではなかったのかと思うぐらい狭い。どうにか便所を改修したらしいが、無理してやっと和式の水洗便所に作り直した感がありありだ。
なぜ洋式にしなかったのかと使用する度に思う。
狭い。
便器にしゃがむと頭が前のパイプに当たる。といって後ろに下がると、出るものが便器からはみ出してしまいそうだ。
右隅には金属製の汚物入れがあり、その上に予備のトイレットペーパーが置いてある。そのペーパーの横の丸い部分には、マジックで会社名までわざわざ手書きがされている。
『盗難防止?名前を書こうが持って帰る奴は、黙って持って帰るだろうに』
そして、正面には張り紙が貼ってある。
『トイレットペーパー以外は流さないでください』
こういう手の張り紙にいつも、思う。
『トイレットペーパーだけしか流せないのなら、ウンチはやっぱり汚物入れの中にいれるの?!』
そういえば、ベトナムは違った。
水洗便所なのにウンチは流しても、ペーパーは決して流してはいけなかった記憶がある。紙を別に再生するのか、燃やすのか理由は分らなかったが、たしか、使用済みのペーパー入れが横にあったような気がする。
素直な外国人がきたら、絶対間違うだろう。
こういう時は、
『ウンチ、おしっこ、トイレットペーパーは流して、それ以外の物は汚物入れにいれてください。』
とはっきりと書くべきではないか。
張り紙を見る度に、自分はよっぽど素直な日本人だと自画自賛する。
(ふつう、それをひねくれてるっていうねん!)
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