反則切符きられたのに、警察が謝りに来た?!
原チャリで交通違反をした。
片側3車線の交差点で、黄色の線をまたいだという。
一人の警官に呼び止められ、現行犯キップ、所謂、青ガミを渡される。
線を踏んでいないというこちらの言い分は全く聞かない。
自分は見ていたのだから間違いないと、なら証拠を見せろと言ったが、現行犯の一言。
さらに、何処に勤めているのかと聞く。
職業なんか今関係ないだろと思ったが、一瞬たじろぐ。
しぶしぶ署名し、拇印を取られる。
「くそっ」
と思い、直ぐに一番近くの郵便局に行き、罰則金6,000円を即支払う。
今日は出費の多い日だ。
実はその日、新しい免許証、それもゴールド免許証を取りに行った帰り道の出来事であった。免許の更新料は支払ったが、安全運転協会の会員料は支払わなかった。
ゴールド免許なんで、普通の者を尻目に講習時間も短く30分で終わった。
その短い講習中も本気で聴講しておらず、半分寝ていた。
バチがあたったのか、安全運転協会に入らなかったからか、後からつけていたのか。
が、今更後悔しても遅い。
後悔とはいつもこんなもんだ。
次回はゴールドではないので、二時間の講習を受けねばならい。それよりも、来年から任意保険料が高くなる方がつらい。
ところが、数か月して、新聞の一面に道路形態の公示ミス、過去の交通違反を取り消すとあった。要は道路を二車線から三車線に拡幅した際に、変更したことを公示せず、そのままにしていたことで、書面上の違反と道路形状が合致していなかったことになるそうな。
それで、その場で起きた交通違反は、すべて取り消されたことになった。
『こんなことが、ほんまにあるんか?違反が取り消される?』
二か月後、待ちに待った警察から連絡があった。
今から違反の取り消しについて、手続きをしたいので、わざわざ家まで訪問するということだった。こちらが出頭するのではない。
捕まった時の、あの上から有無を言わせない高圧的な態度ではなかった。
残念だったのは、訪れた警官は、当時、取り締まったあの警官ではなかった。
というより、むしろ気弱な若い青年だった。
しかし、ここで同情してはいかん。
言いたいことを言わしてもらうで。
こちらは戦闘態勢や。
「違反が取り消されたので、罰則金は返還します。ただ、年度末なので、予算がつき次第に手続きしますので、いつ頃になるかわかりません」
「どういうことや?こっちが違反した時は一週間以内に払わんと罰するとあったけど、そっちが返す時は、期限はないんか?自分にはえらい甘いなあ」
「すみません。」
「そもそも、罰則金は日々警察に入ってるはずで、そこから返せばええんとちゃうんか」
「なかなか、そういうわけには・・・」
わかってた回答とはいえ、さらにヒートアップ。
「ゴールド免許じゃなくなったので、保険料が高くなったが、これも弁償してもらえるんやな?」
警官がだんだんと委縮しているのがわかり、まさに鬼の首を取ったとはこのことだろうか。
知らず知らずのうちに、声が高く大きくなっている。
明らかにこちらが正しく、相手が無防備になる時、こうも人間は高慢になるものだろうか。
はっと我に返る。
えらい、情けない人間になったもんだ。
こんなにも、嫌な人間になったのかと、委縮している警官をみて、自分自身の高慢な態度にますます嫌悪を覚えた。
『なに、ぐだぐだ言うてんや、そもそもおまえが違反する方が悪いんやろ!返してもらえるだけありがたいと思わんかい!わしは天下の治安を守る日本国の警官や!』
と、ホンマは怒鳴り返したかったんやろうなあ!
ごめんやで。