新入生歓迎会での珍事
2014年4月のことである。ベトナム国立ダラット大学の入学式に参列していた。行事が終わりに近づいたころ、司会者が突然小生に向かって日本で今一番ポピュラーな歌を披露して欲しいと名指してきたのである。勿論小生は知る由もなく、強く断ったのであるが、しつこく言われるので仕方なく周囲を見渡し、日本人がいないのを確かめたのち、おもむろに壇上に上り、咄嗟に浮かんだのが、カラオケで歌ったことのある田端義夫の18番「大利根月夜」である。ときどきのどに手を当てて熱唱(?)し、終わりに近くなったころ、拍手喝采を受け、ぜひ2番もと懇願されたが、さすがにこれ以上の恥じはかけなかった。終戦前後に流行した懐メロであり、今では日本人が誰も知らないような古い歌を異国の地で歌った苦い思い出の一つである。