母は宿泊先でただならぬ痛みを経験したため、 かかりつけ医に腹部CT撮影を依頼しました。 しかしCTを撮ったものの、かかりつけ医には すい臓の異変に気づくことができませんでした。 「原因はわかりません。今後も胃腸の経過を見ます」 ということで済まされてしまいました。 時間がまた過ぎました。 状態は悪化していました。 さすがの鈍い私も母の中で何かが起こっている とは思い始めました。しかし胃潰瘍か何か、命に関わりのない病気と 思っていました。 業を煮やした母は、ついにかか
2017年の10月半ば、 腹痛が強くなってから1ヶ月以上たった頃、 母はやっと病院に行きました。 行き先はすい嚢腫を「問題なし」と判断した 例のかかりつけの病院でした。 診断は「お腹が痛いんですね? 胃腸の疲れでしょうね! 薬を飲んで様子を見ましょう。」で終わりました 出された薬はただの胃腸薬で、膵臓とは全く 無関係のものだったので効くはずはありませんでした。 痛みは緩和されないまま、薬を飲んで様子を見るということで 貴重な時間が過ぎていきました。 そしてある日、母は
よくガンになった方は特有の臭いがするようになると 言われますが、うちの母の場合もそうでした。 癌が発覚する半年くらい前からでしょうか。 母の口臭が強くなったと感じました。 失礼ですが、大体年配の方は口から臭いがするように なるので、母の口臭も加齢のせいだと思っていました。 その臭いは母の母、死んだ祖母の臭いにそっくりでした。 やっぱり親子は加齢で似た臭いになるのかと、 ようやく母にも老いが始まったのかと、 (母は年齢よりかなり若く見える人だった)とても軽く考えていました
母の膵臓癌が発生したのは2016年の秋頃、 自覚症状の出る1年ほど前です。 ちょうどそれと同じ時期、母は「もう一つ」病気をしていました。 母は「バセドウ病」に罹患していました。 甲状腺ホルモンが過剰に作られるため 新陳代謝が活発になり過ぎ、疲れやすく、体重が減り、 動悸がする病です。 体重が急激に落ち、ガリガリになったので ガンを疑った母は検査に行きましたが、 その結果ガンではなくバセドウ病だと診断されました。 幸い薬がよく効き、すぐ体重が戻り、 母はまた元気になりまし
母のすい臓がんは発覚する1年ほど前から 大きくなっていったそうです。 発覚が2017年12月だったので、出来始めは2016年12月、 はっきりとした自覚症状が出始めたのは2017年9月の終わり くらいだったと思います。 私にも、食後にみぞおちの上あたりが痛むと相談していました。 ちょうどその時は季節の変わり目、 暑→寒に切り替わる時期だったので それが原因と考えました。 職場にも母と同年代で似たような症状の人がいるーと 軽く返してしまいました。 その痛みは座っているとマ
母のすい臓がんはすい嚢胞が5年の間に 悪性変異したことが原因でした。 おそらくIPMNという、良性から悪性になる 危険を持ったできものだったのに、 安全だと判断したのが大間違いだったようです。 この時、念の為細胞を取って検査していれば 良かったのですが、先生によるCT画像目視のみの 診断で済ませてしまったようです。 IPMNは定期的に経過を見て、危険になる前に切ることが 重要だそうです。母は毎年この病院で健診を受けてましたが、 ついに危険に気づいてはもらえませんでした。
話は病気発覚の5年前に遡ります。 病院の定期健診で、母のすい臓に影が見つかりました 母は健康そのものの人で、大きな病気をしたことがありませんでした。 この時影が見つかったと聞いても、どうせ大したことはないだろうと 私はタカをくくっていました。 そして、再検査の結果・・・ 病院の診断の結果、影は害のない嚢胞(のうほう)と診断され、 悪性化・がん化の心配は一切ないと断言されました。 院長先生はそう言い切りましたが、看護師さんは 「ちゃんと経過を見ておいたほうがいいです