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ライン川を見渡す丘の上から

どこにいても、私は私。
そう語った友人がこの場所に連れてきてくれた。

こんなに夢のような場所で暮らしていても、過去の日々においては心が潰れるほど苦しい時間を過ごしていたという。

そうなんだ。
こんなに素晴らしい環境で生きているのだから、幸せに違いない、その人生に感謝して当然という暗黙のプレッシャーは苦しみの吐露を封印させる。

生活の中には喜びも悲しみも苦しみも入り混じり、目の前に広がる美しい世界すら時に残酷に映る時もある。

それでもなお、日々の風景に美しさを再発見させてくれるこんな夕暮れ時があるからこそ、明日も笑顔で生きてゆける。

それぞれの人生に、それぞれの日常がある。
私にとっての旅先も、誰かにとってはいつもの風景。
その逆も然り。

旅と日常と、夢と現実と、行ったり来たりしながらも、どこにいても私は私。


📍エルぺラー・レイ

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