バチカンニュースよりフランシスコ教皇様からの書簡

Vatican News

広島の平和記念公園の原爆慰霊碑に献花したG7首脳たち 2023年5月19日
教皇
教皇、G7サミットを機会に、広島教区司教に書簡
教皇フランシスコは、G7広島サミットを機会に、広島教区の白浜満司教に宛て書簡をおくられた。
 教皇フランシスコは、G7サミットが開催された広島の白浜満司教に宛て書簡をおくられた。

 これは、G7広島サミットを機会に、広島教区の白浜司教が教皇フランシスコに宛てた手紙に対する返信として記されたもの。

 書簡は5月19日付で、20日、バチカン広報局が明らかにした。

 教皇は書簡の中で、核兵器依存への絶え間ない脅威のもと、広島がG7サミットの会場に選ばれたことに特別な意味を見出している。

 2019年の訪日時、原爆死没者慰霊碑の前で、原爆によって亡くなった無実の人々を思いながら黙祷した際に受けた深い印象を教皇は回想。

 「戦争のために原子力を使用することは、現代において、犯罪以外の何ものでもありません。人類とその尊厳に反するだけでなく、わたしたちの共通の家の未来におけるあらゆる可能性に反します。」というその時述べた確信を、改めて書簡の中で引用された。

 教皇はこのサミットについて、特に世界的なパンデミックの体験と、ウクライナで戦われている破壊的戦争をはじめとする各地の紛争と共に、責任者たちは憂慮と共に未来を見つめていると指摘。

 ここ数年の出来事は、兄弟愛と連帯のうちに皆が一致してこそ、傷のいやしと、より正義と平和ある世界の構築の追求が可能になると、わたしたち人類家族に分からせることになった、と記している。

 また、世界の安全は、食料や水へのアクセス、環境の尊重、医療支援、エネルギー源、世の富の平等な分配などの問題を包含する、統合的なものでなくてはならないと説く教皇は、安全をめぐる統合的概念は、国際社会の多極性と協力を強めることに役立つだろうと述べている。

 「記憶のシンボル」である広島は、核兵器は、今日の大きな脅威に効果的に対応し、国内と国際社会の安全を保障するためにふさわしいものではないことを力強く宣言している、と教皇は述べつつ、核兵器と他の大量破壊兵器は、平和の幻想を与え、危険を増大させるだけの存在であると強調された。

 教皇は、広島教区の司教と人々のために祈りを約束すると共に、G7広島サミットが恒久平和と安定した持続可能な安全のための基礎を築くことにおいて、先見あるビジョンを証しすることができるようにと、この書簡の中で祈られた。

21 5月 2023, 13:24

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