バサラオを観る前に
バサラオを観る前に、登場人物を考える
(ネタバレするのを嫌う方は読まないでください)
わたしは、言葉>映像>音と物事を認識しているような気がするので、観劇に行く前に読めるものは読んでから行く、じゃないと話が分からなくなってしまう。
さて、バサラオは劇団新感線による南北朝時代のヒノモトを舞台にしたピカレスクロマンということで、華やかな舞台を楽しめばいいのだが、一回の上京で味わい尽くそうと思うと、自分には事前の予習が必須。粟根まことさん推奨の太平記と戯曲本を読んでみたが、何と血生臭く、裏切と寝返りに満ちた物語。
登場人物は、物語の中心を成すヒュウガ と カイリ 以外はカタカナ表記ながら歴史上の人物に重なる、言葉遊びで予想できてくる。
以下は、それら予想を書いて行く、自分としては、これで裏切りに満ちた物語が整理できた。
()内は、歴史上の伝聞
くれぐれも、ネタバレが嫌な人はここまでにしてください。
鎌倉幕府側
キタタカ 北条高時(鎌倉幕府14代執権)
エンキ 長崎円喜(幕府高官戯曲本には
内管領とある)
ナガスケ 長崎高資ながさきたかすけ(エンキの
息子)
キンツナ 宇都宮公綱か?(関東の武者、執権の
命令で、在京している。弓の名手と言わ
れた)
マストキ 北条時益(最後の六波羅探題の長、
朝廷を監視する、幕府の機関)
帝側
ゴノミカド 後醍醐天皇(流されていた隠岐島より
脱出して建武の中興を行う)
タダノミヤ ミカドの第三皇子大塔宮?おおと
うのみや又はだいとうのみや(武闘派)
カコ 阿野廉子?あののれんし(後醍醐天皇の
寵姫)
漢字からインスピレーションを得た?
アキノ 北畠顕家(公家の武将、文武に優れ、
武将として活躍、また、雅楽の蘭陵王を
舞った逸話もある)
ボンカン 時代の高僧、円観、文観のイメージ
やはり、柑橘類のことだろうか。
クスマ 楠木正成(後醍醐天皇に尽力する)
ギテイ 新田義貞
どっち側?
サキド 佐々木道誉(バサラ大名として名を
はせる、南北朝時代から、室町時代まで
活躍)
ゴロウザ サキドの腹心
再び、朝廷側
コジフサ 万里小路宣房
シダフサ 吉田定房
バタフサ 北畠親房(顕家の父)
いずれも、高位の公卿
ヌイ 猿楽師と、ある。
北条高時が耽っていたという、田楽と闘犬の象徴ではないかと思う。ヌイを逆にすると、犬となる。
高時の田楽狂いと闘犬好きは、太平記に批判的に書かれている。
みんな裏切る、太平記を読んでいても、そんな理由で?寝返る、そのうち、誰が誰に付いているのかわからなくなる、そういう時代。
こんど、ヒュウガとカイリにも漢字を当ててみよう
日向と壊理とか
追記 田楽と猿楽とわざと混同するような書き方をしている。猿楽は今の能楽(能と狂言)の当時の呼び方で、一般的に田楽や以前からあった、他の芸能(散楽)が統合して猿楽になったと言われている。但し、猿楽には他の意味もあり、ふんわりとした書き方になった。