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猫たちの思いで 5 まるみ
まるみ 黒猫
我が家の3人目の猫、首に白い模様のある月輪猫。
知り合いに、もらってくれと頼まれた。
うちでは、頼まれて保護したおっさん猫を亡くして1年2ヶ月ほど経ったところだった。前の飼い主がなんでも食べさせた為、体が弱く獣医さんの世話になってばかりいたが、推定7歳くらいで逝ってしまった。
こんな時に、猫をもらってと言われるのは、何かの縁、引き受けることにして、1ヶ月になる頃うちに来た。2006年のこと、まだ尻尾が、子猫特有の先が細くなる形で、みいみい鳴く声は、かわいい中枢を刺激した。
先住猫にも果敢に張り付き、くっつき、ベタベタしないが、関係を築いて行ったように見えた。
猫に出会うたびに思い知るのは、同じ性格の猫は居ないということ、同じように接しても先住猫は人見知り、玄関に人が来ただけで見えない所に隠れてしまう。家族にはべたべたとくっつきはしないが、安心して接する、それが嬉しい。
新しい黒猫は、物おじしない、人が大好き。2歳くらいになるとお客さんが来ると、宅配便でも郵便屋さんでも真っ先に飛んでいってしっぽをピンとしてまとわりついた。猫が苦手な人がいないか、こちらで気を使う、猫平気ですか?と、中には黒猫の姿を見た瞬間、動物が!と言って立ちすくむ人もいたので、気をつけなくては。後で聞いたら、その人は生き物全般に苦手ということで、その人が来る時は黒猫を隔離した。
さっきから、黒猫と呼んでいる、猫はまるみ、と名付けた。夫がまるみと言う猫を飼っている夢を見たと言うのだ、夢のお告げては仕方がない、とてもスリムですばしこい黒猫の名前は、まるみになった。
私が、その名前を貰って名乗っている、人のまるみが、猫のまるみの事を書いている。
まるみは、頭もよく、好奇心も旺盛で、先住猫が決して出て行かない表通りまで出て行って、驚いたのは100メートルくらい離れた駐車場にやってきて待っていたこと。私たちが出先から帰って車を降りると鳴いて呼ぶのだ。声でまるみと分かる、呼ぶと隅から出てきて大人しく抱かれて、通りを渡って家に帰る。そんな事が数度あった、匂いを頼りに来ているのだろう。その頃はのんびりしていて、庭に猫をだしていた。
また、当地で震度6強の大きな地震があった翌日、先住猫を引き連れて、2センチ位の小さなネズミを咥えてきて、それぞれ部屋に放す、ねずみは、ベッドの下などにチョロチョロ走ってゆく。やめろーと必死で捕まえて外に出したのか必死すぎて覚えていない、自分だけではなく先輩猫にまで、狩を教えるのには驚いた。地震前後、普段姿を見せないネズミが姿を見せていたらしい。
しかし、こんなに頭がいいのに、地震予知はしてくれなかったらしい、いやしかしその日の朝8時半頃縁側から入って直ぐの所に、頭の先から尻尾まで15センチもある大きなネズミが落ちて事切れていた。自分で来るはずなく、よくトカゲやカマキリを捕まえてきたり、ゲッとすると雀の頭を吐き出したりする、まるみの仕業と思い、悪戯されては困ると深く庭に埋めた。庭は桜、柿、ネムなどが10本以上樹木あり、広さも、もう一軒家を建てても余裕がある程で十分猫の遊び場になる。後で思えば、ネズミは地震を予知してふらふら出てきて、猫に捕まったのだろうか。
実はその日は隣町に用があり子供ともども出かけたので、10時すぎに激しく揺れた時の猫の挙動は見ていない。夕方帰ってくると家のなかにいて、落ち着いていたと思う。
とにかく活発なまるみに何かあったら困ると、首輪を何度も付けようと試みたが器用に外してしまう。しばらくして。諦めた、諦めなければよかった。ある日ふと、いなくなってしまった。警察や保健所に電話して探し回ったが見つからない。ただ、あんなに人懐こい子なので、誰かに違う名前で飼われていたらいいと思っている。頭が良すぎて、早々と居なくなってしまったような気がする。
まるみは、4歳くらいまでは一緒に過ごせた、活発な猫だった。先住ねこは、おっとりとあと少しで20歳まで長生きした、まるみも、どこかで長生きしていてくれたらいいと願っている。
これで、一緒に過ごした みらい、おっさんりえる、まるみ の事を語ることができた。どの子もうちの子になって、良かったとおもうが、まるみの管理には後悔が残っている。
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