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鯨尺を使ってみよう!/尺の読み方

自分で着物を縫ってみたい!と、和裁に挑戦すると、必ず出会うのが「鯨尺」という見慣れない和裁独特の単位です。

🍀和裁には鯨尺のものさしが使いやすい⭕️
この感覚に慣れるために今日は一緒に鯨尺を読んでみましょう!

↑鯨尺が必要な理由を書いているよ!


◯ものさしはどう使う?

まず、鯨尺には「1尺」と「2尺」のものさしがあり、身幅などの短い範囲の印付けには1尺を、身丈や裄などの、長い計測をする時は2尺を使用すると、作業がはかどり大変便利です⭕️

↑この様に、メートル表記のものがありますが、使いやすいのは↓写真のような、「鯨尺単独表記」が断然勝手が良いです。

↑こちらの様に両サイドに目盛りが付いていると、印が付けやすく、更に左右どちらからでも測れるためスムーズな作業のためにはオススメです。

⚠️安定した計測のために竹製の物を使います。プラスティックや巻き尺だと伸び縮みがあるので信頼できる寸法を測れない可能があります。そのため最も信頼出来るのは竹製のものです。因みに購入不可能ですが、鯨の髭は竹よりも伸縮しなかったそうですよ!


◯鯨尺はどのように読むの?

1分(いちぶ)= 一番小さな目盛
1寸(いっすん)= 10分
1尺(いっしゃく)= 10寸

・1尺が10個で1丈(いちじょう)
1丈を測るものさしはありませんが、反物の長さを測るときに使います。

和裁には縫い目を隠して着物を美しく仕上げる工夫として「キセ」があります。
・1分の半分が5厘(ごりん)
キセ寸法を測る時はこの厘を使います。


◯鯨尺をメートル表記するには?

「計量法の関係から、鯨尺はお店や取引に使用することはできません。そのために、メートル表記にする方法を、覚えていると便利でしょう。

⚫︎鯨尺⇄メートルへの換算法

🍓鯨尺× 0.3788= メートル(㎝)
例)100 × 0.3788= 37.88(約38㎝)

🍓メートル(㎝)× 2.64 =鯨尺
  例)100㎝ × 2.64 = 264(2尺6寸4分)

……………………………………………………

鯨尺には、2.64
㎝には、0.3788

鯨尺⇄メートルには「換算表」があるのですが、数字の羅列の上、字が小さく読みにくいので、この計算を覚えていると換算表要らずで非常に便利です⭕️

身につけておくとすぐに換算できる便利な缶バッチは、お仕事させていただいた方に私からプレゼントしています(*^^*) ※数に限りがあります。


◯数字の読み方

先ほどの換算法を元にして、鯨尺を読んでみましょう!

例えば、お袖丈に多い「49㎝」は鯨尺でいくつでしょう?

⚠️49×2.64=129.36
これは四捨五入で129になるのですが、キリが悪いために130の1尺3寸として使われているみたいです。※私は怖くてそんな半端な数字は使えませんが…

この計算結果を読むには
⚠️129.36=1尺2寸9分4厘のほうが正確です。

1の位=分
10の位=寸
100の位=尺
小数点以下は一桁で四捨五入して、厘
と読んでいくわけです。

ご自身で採寸して縫製所へ連絡する場合は、是非正確な寸法になるようにお知らせくださいね!


鯨尺くじらしゃくとは?

鯨尺くじらしゃくとは、鯨の髭で物差ものさしが作られたことが由来となってこの名が付けられています。

鯨の髭は随分と立派ですが蒸すと柔らかくなるので日本では工芸品に加工していたそうです。長い航海の徒然つれづれなぐさめるに都合がよかったようで、物差ものさし以外にはかんざしや耳かき、まごの手に至るまで実に様々な活用法がありました。

べっ甲のこう様に美しい鯨の髭。今では入手困難になっておりますが、いただいた物を粗末そまつにしないという考え方は受け継がれていくべきだと思います。

詳しい内容については分かりかねますが、和裁と関連の深い鯨についても知る必要がありますね^^

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