仕立て直し例/羽織に手を加える
こんにちは、ものぐさ和裁師です^^
今日は簡単に昨年初頭にものぐさ用の羽織として仕立てたこの子について触れていこうと思います。
実はこの羽織は基本の羽織として仕立てたものでした。
(※あくまで、ものぐさ基準の『キホン』であり、その他各種縫製所で行われる仕立てとは考え方は異なります。)
何の工夫も加えない仕立てを目指して作り置いたものです。ですので、気になる点が幾つか見受けられる仕上がりとなっておりました。
上写真では何の問題もないように見えますが、ものぐさが考える問題点で簡単なものだけをここへ挙げてみます。
◯問題点①【衿の開き】
問題点の一つ目は【衿の開き方】です。
着用すると衿が左右に揺れて、裏側が大きく覗い反り返ってしまうというもの。
◯問題点②【野暮ったい】
問題点の二つ目は【野暮ったい】とそのままの表現ですが、着用するとのっぺりとして見え、野暮ったい?と感じてしまう点です。
この羽織の様子が何故に野暮ったいと感じてしまうかは、私に合わせた着姿ではないからであります。
写真を見ると、羽織の後ろ側が下がり、前が上がっているのが分かります。
そして前が上がりすぎている為に余計に衿が開きやすくなる。という現象が起こっております。
⚠️ここで注意点ですが、前が上がる羽織は良くない。と言っているのではないということです。羽織に対する考え方の一つとして、学生や未婚の女性など若々しいイメージを残したい場合は、前が上がらないようにしたいこと。それから、着物姿を粋に魅せたい場合は少しだけ前上がりにすると小粋に見えることがあります、ご参考までに。
この羽織には問題点が数点残っていますが、その点は別枠で説明するとして、この二つの問題点の直しをしてみることにしました。
◯問題点の直し方
上記の二点の問題点を直していくのですが、②で触れた【後ろが下がって前が上がる】という問題部は身頃を全て解いて(袖以外)総縫い直しをしなければ改善困難だろうと思えるもの。
これってかなりの労力です(ーー;)
我がの羽織だから料金も発生しませんが、これがお客様のご依頼品となると、出来るだけ安価で綺麗な見た目になるようにと提供したいもの。
【🍓手を加える部分は最小限にとどめる!】
これを目標に羽織の直しに取り掛かりました。
解く場所は出来る限り最小限に、尚且つ希望の箇所は改善したい。これを叶えることって出来るのかしら??…
◯ビフォー・アフター
インスタグラムに投稿しましたが
まずは歩いている様子をということで、ビフォー・アフターの様子をご覧くださいませ。
タップをすると動画をご覧いただけます↑↑
全て解いてしまわないでどうやって直すのか?についてはまた改めて別枠にてnoteを作ろうと考えていますが、写真で分かるビフォー・アフターの様子を残しておきます。
⚫︎問題点①【衿の開き】直し後
◀️左側は直し前・右側は直し後▶️
乳付けの位置は変えていないので、着物の衣紋の抜き加減が変わっていないことが分かります※衣紋の抜き加減が変わると、羽織の見た目が変わる為
拡大して分かりやすくしたのがこちらの写真です↑↑衿の反り返りが無くなりました^^
⚫︎問題点②【野暮ったい】直し後
白点線部分をご覧ください。
◀️左側の直し前より、右側▶️の直し後の裾がスッキリとして見えるのが分かります。
のっぺりとした様子は無くなりましたし、簡単に直すだけでも見た目に大きな影響を与えることがご覧いただけるかと思います。
◯最後に
ものぐさの好みを押し付けることはしたくはありませんが、仕立て依頼時にはご自身の好みをお伝えされるのが良いと思います♪
また、着付けの好みや、下に着用する着物の変化によって、羽織の動き方は変わってきますので、そこを留意した上でご相談くださいませ。
こちらのnoteも併読くださいませ↑↑
ここからはものぐさの個人的反省点を。
・noteへ書くのが時差がありすぎる
・動画サイトを作っていない
・羽織が細かい柄のため写真で分かりにくい
・そもそもスマホ写真に頼りすぎ
noteに直接掲載出来る動画はYouTubeとvimeoからのみなので考えものです(ーー;)
羽織の様子は動画で見るのが1番分かりやすいとは思っていますが、今は仕事を優先でスマホだけに頼って生き抜こうと思います。
以上、ものぐさ和裁師でした🪡
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