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抱き幅のお直し

——帯から下は気にならないのだけど、お腹周りがゴワゴワしてとっても着にくいわ。

「着物は着にくい」と感じるNo. 1の要因に、お腹周りのおはしょり始末の困難さがあります。

この困難さを少しでも緩和させるために行うのが【抱き幅直し】です。


◯抱き幅ってどこ?

私が決めている「抱き幅」の位置は、ちょうど身八つ口の真下の、衽付け〜脇縫いまでの幅のことです。

ここの幅が広過ぎる時着心地が悪くなるのは先に申し上げた通りですが、お直しをせずともタックを寄せることで幅を調整しながら着付けることも可能です。

私個人的には、「着付けの美しさよりも着やすさ」を重視しているため、自装のため着にくくて困っているお客様があれば声を掛けさせていただいております。

⚠️抱き幅をどの位置に決めているかは仕立て屋によって変わることがあります。必ずご確認の上ご依頼くださいませ。


◯実際のお直し例

どのように直すのかをご紹介いたします。
まずは身体のサイズをお聞きした上でお着物の寸法を測り、着やすい寸法との相違が大きな箇所のみのお直しをオススメしています。

①最初に袖付を解いて、お袖を身頃から取り外します。
②身八つ口〜下、相違のある箇所まで解く
③新しい寸法に縫い直す

簡単に言うと、このような手順です。

言ってしまえば殆ど「身幅直し」にあたるので、格安とまではいきませんが、着心地を求めるだけであれば安価に直すことが可能です。

また、全体をお見積りさせていただいた上で、余りにも広範囲に渡る場合は料金が高額になるため仕立て直しをオススメすることもございます。(例えば、縫い糸が弱っていてそこだけ直しても長持ちはしない等々)

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・単衣着物  7,000円
・袷着物   8,500円

今回行った抱き幅直しの料金例です。
一年後は分かりませんが、現在は低料金で承っております。


◯合わせての依頼がオススメ

裄・袖丈・丈袋・身幅などこれらのお直しと同時作業出来れば、料金を抑えて仕上げることが可能です。

並行してオススメしたいお直し箇所

特に裄に関してはお悩みの多い箇所なので、考ておいても良いかと思います⭕️

「身幅直し」の例はこちら⬇️


◯最後に

着てみたい!と思って購入した物でも、寸法が身体に合わない事でお蔵入りになってしまうという例は少なくないと思います。

リサイクル着物が低価格で手に入る時代です。
安価に仕入れられたらメンテナンスには力を入れたい。

和服は大切に扱えば長く楽しめるもの。様々な楽しみ方がありますが使い捨てだけは避けたいのです。

この気持ちに賛同のある方はお声掛けくださいませ。どうぞ宜しくお願いします^^

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「 和裁は我が国必須の英知の結晶。」
私は古より連綿と受け継がれてきた美しい着物を形にする技術【和裁】を慣用にする活動に力を入れています。

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菊瓢  kikuhisago
ものぐさ和裁師は着物と和裁の振興に貢献したいと考えています。美しい着物を未来に残していくためにサポートをどうぞよろしくお願いいたします。