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芸術におけるプロとアマの違いについて
今日は、芸術におけるプロとアマの違いについて、述べてみたいと思う。
端的に言って、その違いは、「心」である。
プロというと、それだけで生活しているかどうか、あるいは、テクニックの高さをもってプロとすることが、世間では常識だろうが、私は違うと思う。
先日、久しぶりにカラオケに行った。みんなが上手いと言う人に、私は少しも感動しなかった。それよりも、テクニックは劣るが、感動する歌声があった。それ以来、このことについて、私はずっと考え続けていた。
それは、やはり「心」ではないかと思う。
もちろん、必要最低限のテクニックや生活できるかどうかは、大切なことではある。しかし、それだけでは、プロとは呼べないように思う。
プロは、人に感動を与えなければならない。
芸術とは、すなわち人を感動させることである。
アール・ブリッュトと呼ばれる人たちの芸術が、美大を出た人よりも、人を感動させるのは、「心」が純粋だからである。
ピカソは言った。「子どものような絵を描きたい」と。あの天才ピカソでさえできなかった「子どものような絵」。
それは、「純粋な心で描かれた絵」という意味だろう。テクニックは訓練できても、「心」を磨くのは容易ではない。ピカソでさえ、十分にはできなかったと悔んでいたのだから。
私は、「心」を磨きたい。カラオケに行ってそう思った。たかが、カラオケ、されどカラオケ。詩やエッセイの題材は、そこら中に転がっている。
最後にもう一度、プロとアマの違いは、「心」だと繰り返し述べておきたい。
詩人 たいいりょう
写真は、四宮佑次先生の作品です。