飛騨と忌部に関わる神様をもう一つ
直接『忌部』と関係しているとはあまり世間に意識されていない神様がいる。
それを
『金毘羅(こんぴら)様』と言う。
「こんぴら」の語源「クンピーラ」は古代のインド語であるサンスクリット語、仏教では梵語といわれる言葉のワニを意味する。
神社のサイトには、
『琴平山(象頭山)の中腹に鎮座する金刀比羅宮は、古くから「海の神様」として親しまれている大物主神(おおものぬしのかみ)を祀った全国の金刀比羅神社の総本宮。』
とあり、ネットを見渡すと讃岐忌部との関わりが強いと言う意見が散見される。
さて、この神様が飛騨と関係あるのか?、と言う話。
いや、流石に海無し県の飛騨山中に金毘羅様は無いだろうと思いながら試しに調べた。
‥‥‥‥‥‥えっ?
あれ?
あった(汗)???‥‥‥‥‥‥
信仰されてる!!!
私が通ってた高校のあった飛騨神岡町(上宝村の隣町)の有名な祭りが、
『初金毘羅宵祭』!!!
え?、ちょっと待て!
あの神岡祭り(地域最大の祭り)って、金毘羅様?!
うわ、知らんかった‥‥‥‥‥‥
(無関心は怖い‥‥‥)
調べると、
祭り自体は昭和に始められたものだが、
サイトの縁起の説明では、いつ頃に神岡に金毘羅信仰が来たのか詳しい歴史は定かでは無いと言う。
『神岡の中心地が「船津」という地名であることからも、富山湾へと通じる神通川・高原川の水系を利用した木材の運搬が行われ、それが船津の街を栄えさせていたことは容易に想像できる。
実際に、かつて船津の本町通りには、飛騨産の材木を越中方面へ売り捌く商いで財を成した家が多くあったという。』
(サイト『飛騨神岡初金毘羅宵祭』内の初金毘羅宵祭縁起より)
そして飛騨の隣の同じく海なし県の諏訪(信濃・長野県)の諏訪大社でも『お船祭り』があった!!、
『北九州や朝鮮半島を拠点とする海族の「安曇族」が信州安曇野地方に移住したことを物語り‥‥(以下略‥‥』
(観光情報サイト『とっておき信州』より)
これは安曇族が四国・九州・富山・長野までは確実に行き来していたことがわかり、
当然四国の阿波忌部もこれに随伴して飛騨に来ることが可能であると分かる。
(ただ実際に阿波忌部が飛騨に来た記録は残っていない)