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術中は境界悪性、術後は悪性 (21)

退院後、初受診日

開腹手術をした後の腹部の痛みに全神経が働いていた。常に腹部が痛かった。

11時半予約なのに、10時45分には病院にいた。ちょっと早過ぎたみたい。受付を通し、待つこと数時間。

早く来たのは失敗だった。待合室にいる患者さん達、皆んな私のような病人か、もしくは妊婦さん。

長時間待つのは辛いだろうなあ。1人の患者に数名の付添人がついている人もいる。家族も心配だよね。

私はというと、1人で診察を待つことにした。心細さはあったが、夫に迷惑を掛けたくなかった。

それに術後の病理検査結果を聞くことになっていたが、医師の話からほぼ境界悪性で確定だろう、と思っていた。

この日は腹部の痛みや出血があることを医師に話し、診てもらうことが私の第一優先事項だった。受診予約時間を1時間も過ぎた頃、主治医の前にいた。

医師は相変わらず忙しそうで大変そうだった。

久しぶりに会った医師に、傷口が痛い、まだ出血してる、などと訴えるが内診の結果それは大丈夫、とのことだった。

医師は、それよりもと言った感じでパソコンを見た。

術後の病理検査ですが悪性でした

え??

「術中の簡易病理検査では境界悪性でしたが、術後よく調べたら悪性でした。」と医師は続けて言った。

そういえば術後に、術中はどうしても簡易的な検査になってしまうのでしっかり分からないことがある、って医師が言っていたなあ。

病理検査をする方が、よく調べてくれたのね。そうでなければ見逃していたかもしれない。

境界悪性から悪性になったことにショックは大きかったものの、検査した方が悪性を見落とさないで見つけてくれたことに感謝した。

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