趣味の小説が予言のようになっていって怖い
「……うそ、これ今年の事だ」
他の全ての事と同じく、趣味の物語も、感性のささやくままに書き進めるタイプの私。
書くものは、ある日突然、頭の中に、起承転結も設定も、景色とともに文章も含めて全部一度に降ってきます。
降ってくると言っても、三次元的な"上"から来るイメージとは少し違うのですが、それ以上近い表現が見つからないので、すみません。
何と言うか、いろんな具が"混ぜごはんおにぎり"みたいに"ギュッ"となったものが、ドーンと身体の中にぶち込まれる感じです(伝わったかしら? 笑)。
「今おなか空いてない」「その味付けはたぶん好きじゃない」とかの、私の希望は一切無視で、入って来たが最後、喉元にこみ上げる風味を感じ続けながら消化(=昇華)する――その物語と向き合う事になります。
先日のフランチェスカ・レオーネ・モリモト先生の記事で、ハイヤーセルフからガイダンスを受け取る時の感覚についての、貴重なお話を読みました。
そして、私が物語を得る時の感覚と似ている事に、ドキリとして、それから怖くなりました。
いえ、似ていますなんて、おこがましくてとても申し上げられません。それは自分の能力を過信しすぎでしょう。
でも、もし、本当に似ているのだとしたら……?
私は、私に必要な気付きを、『この物語を書きあげる事で得よ』というガイダンスをもらっていたのだとしたら……
「私もガイダンスもらってみたーい。私向けのは、なにで来るのかな? 雲の形? 車のナンバー? 虹とかの天気? 言われる中身は何だろう? ワクワク」
とか考えてずっと待っていたのに。『自分の最も受け取りやすい形で来る、来ている』とフランチェスカ先生が何度も仰っていたのは、この事???
さて、今書いている物語は、昨年"降ってきた"(※ぶち込まれた?)後、序盤を言語化した所で止まったままです。
今度の舞台は、日本のある県の、だいたい最近くらいの時代の、現実的な物語なのですが。
今年に入って間もなく、書いたものと同じ出来事が次々と起こり、書く気がなくなってしまいました。
どうしてって……
「想像力の無い人間が、あの頃の出来事を書く事でリアリティっぽさのつもりでいるぜ、けっ」
とか言われそうだなーと思ったから。
でも、これこそが"エゴの恐れ"なのでしょうか。
それと、もし、ものすごーーーく良い方にこの一致をとらえるなら。
私が書くもの(書きなさいと言われているが如くぶち込まれるもの)が、書いた後、たとえわずかでも現実になるのなら、
登場人物達を救う事で、誰かを少しでも楽にしてあげられるのかもしれない……。
私の物語の登場人物に、モデルはいません。
ですが、物語はいつも、
登場人物の信じてきた価値観が、跡形もなく破壊された後に、小さな感情をすくい上げながら再生していくさまを描いています。
"地"の価値観から"風"の価値観へ。
大きく揺さぶられる事で、自分の軸を、より強くしていく時代。
知らず知らずのうちに、私は既に、まずは自分がその感覚を得られるように、導いてもらっていたのかもしれません。
私は、幸せな人たちの幸せな物語しか書きませんし書けませんし書くつもりもありません。
宇宙の法則なんて全然知らずに&信じずに生きて来たのに、風の時代が目指す人の繋がりと世界の形がどのようなものかを知った今、(文学性としては弱いと言われでるあろう事は分かっていても)私がどうしても書きたいと思い続けている物語はまさにそれだった、と不思議な感慨深さを感じています。
"存在"そのものが貢献なら、自分の中にある能力(それがどれほどちっぽけなものでも)を自分の外に存在させる事もまた、貢献なのではないでしょうか。
そう自分を震い立たせ、「書く」と決心し、あらためて(既に本文を数万字書いた今さらですが)、登場人物を掘り下げてみようと生い立ち年表を作ったのですが……
「うそっ、これ……今年の事だ」
過去の、ある実際の出来事を絡めて書くつもりではいたのですが、これまで作中の経過年数をはっきりと認識してはいませんでしたし(算数が大の苦手なので。汗)、はっきり書くつもりもありませんでした。
なのに、いちおう……と計算してみれば、登場人物達の作中年齢、つまり物語の"今"と現実の今年が、ぴったり一致。
そこに、背景(の小道具的な描写※ストーリーに直接影響はしませんが、気象状況や、世間を騒がせたニュースや、年の終わりに振り返ればその年を象徴する思い出だと言われそうな出来事達)まで、一致してあるなんて。
どう理解すれば良いのやら分からない現象。
私としては、恐怖と言うのが一番近い感覚なのですが……
長い事頓挫していたのに、急に筆が進みはじめてしまい、予想される完成時期がこれまた、物語の作中結末(最終章)のあたりに、ちょうど、なってしまいそう。
現在は、過去作も公開を止めているのですが、
今回、出来上がったものをいつどのような形で公開するか、今、こわごわ、悩んでいます。
2024.8月 追記
結末の秋を待たずに完成しました。
思い切って初Kindleに挑戦してみました。
ご興味を持たれた方、ぜひご覧下さい。