クリスマスの絵本がもたらしてくれる、あのワクワク感がたまらない
クリスマスの絵本が好きだ。
今年もたくさん読ませてもらった。
この記事では、この冬に長男が特に気に入った「クリスマス絵本」を振り返るとともに、同作者による絵本で、我が家で人気の高いものを、いくつか紹介する。
・五味太郎『まどからおくりもの』ほか
五味太郎さんの『まどからおくりもの』は、長男が好きなクリスマス絵本のひとつだ。
窓枠が切り抜いてあって、そこから見える動物のしましま模様や耳の形をもとに、サンタさんがプレゼントを置いていく。
でも実は、その家には見えていた模様とは全然違う動物がいて、置かれたちぐはぐなプレゼントは、一体どうなっちゃうんだろう、とワクワクするお話である。
五味太郎さんらしいユーモアいっぱい。
絵もいつも通り魅力的だ。
長男は、五味太郎さんの本が大好き。
「クリスマス」とは関係ないが、長男が一番好きなのは、『テレビくんにきをつけて』。
このテレビくんが、さっぱり意味の分からんことを言うのだ。
「信号が赤になったら、進んでいいよ」とか、「船は英語でhipというんだよ」とか。
すごいくだらんことを真顔で言うんだけど、それがすごくおもしろい。
長男も1ページめくるたびに笑うし、わざと変なことを言っては、私に「テレビくんみたいなこと言うて!」と突っ込まれるのを楽しみにしている。
他にも、五味太郎さんの『どこまでゆくの?』も、よく図書館で借りる。
文字はほぼない。
表紙のこの男の子が、街の中をつづく道をひたすら進むのを追いかけるだけの絵本だ。
その街並みには、細やかな仕掛けがいっぱいあって、目で追うだけで楽しい一冊となっている。
五味太郎さんといえば、私としては、やっぱり有名な『きんぎょがにげた』とか、小さい頃よく読んだ『あいうえおばけだぞ』とかが印象的だ。
あと、五味太郎さんの描かれた絵が長い蛇腹折の一枚になった、『ほるぷのプレイブッキー おみせやさん』というのがとっても気に入っていた。
今はもう売られていない。
ぼろぼろだけど、我が家では現役大活躍。
とても大きなものなので、おうちごっこの壁にしで遊ぶのに最適だ。
一面ずつ、「靴屋さん」とか「花屋さん」とか、いろんなお店屋さんの絵が描いてあって、そこを訪れるお客さん、店員さんの絵が細かくておもしろい。
五味太郎さんは、古い本でも面白さが色あせない。
言葉遊びも抜群で、絵も味がある。
ぜひ、全作品を読破したいものだ。
・工藤ノリコ『ぴよぴよメリークリスマス』ほか
工藤ノリコさんといえば、「ノラネコぐんだん」が好きな方が多いだろうか。我が家は、この「ピヨピヨシリーズ」の方を気に入っている。
「ピヨピヨスーパーマーケット」から始まり、「ピヨピヨもりのゆうえんち」や「ピヨピヨメリークリスマス」にも出会い、たちまち家族でお気に入りのシリーズとなった。
「ピヨピヨメリークリスマス」は、表紙の5つ子ひよこたちのもとにクリスマスプレゼントが届く定番のお話。
ひよこたちの反応がいちいちかわいいし、工藤ノリコさんの絵柄は、にぎやかで楽しくて、クリスマスのワクワク感にぴったりだ。
長男は乗り物好きなので、工藤ノリコさんの「ペンギンきょうだいシリーズ」も大好き。
特に、この「れっしゃのたび」と「バスのたび」を気に入っていて、何度も図書館でレンタルしている。
ペンギンのおねえちゃん、おにいちゃん、末っ子のおちびの三兄弟が、子どもたちだけでおばあちゃん家に行って帰ってくるまでの道中のお話。
切符をなくしたり、ボタンの「つぎとまります」ボタンを誰が押すかで揉めたり、「あるある」な状況をかわいく描いている。
・三浦太郎『サンタさんのおとしもの』ほか
三浦太郎さんの『サンタさんのおとしもの』は、私が図書館で表紙に一目惚れをして借りた一冊。
黒い表紙に色とりどりの屋根、そして白い雪。
こんなの、わくわくするに決まっている。
表紙の女の子が、サンタさんの手ぶくろを拾い、お返しするためにサンタさんを探す。塔の上から家々を見下ろして、ついに見つけたその先は。
三浦太郎さんの絵は、紙にぴたりと張り付いたようなまっすぐな線が、まるで積み木みたいでかわいい。この本では、色使いもカラフルで、黒い背景によく映える。
三浦太郎さんの絵本といえば、私の中では『くっついた』。
この絵本、長男が生まれたときに定期健診でもらったものの、あまりウケずに終わっていた。
ところが、次男に読むと、大ヒット。
家族がぴたっとくっつくシーンで、「くっついた」とやるとたちまち満足そうな笑顔になる。
「(長男)ちゃんも、くっついた」とアドリブで付け足すと、長男も飛んできて、くっついてくれる。
うちの家族に癒しをもたらしてくれた一冊だ。
ちなみに長男が好きな三浦太郎さんは、『のーせてのせて』。
車好き、カーキャリア好きならば、おすすめだ。
・私が好きなクリスマス絵本『サンタクロースと小人たち』
最後に、私が昔から好きなクリスマスの絵本を。
それは、『サンタクロースと小人たち』。
これを読んで、私は「サンタクロースには小人がいるから、たくさんの子どもたちのプレゼントを準備して、配ることができるんだなあ」と理解した。
それほどにまで、サンタクロースの世界を妙にリアルに詳しく説明してくれるこの本は、かなり長いこと、私のお気に入りだった。
まだ字がかなり多いので、長男にはかいつまんでしか読んでいない。
いつかこのサンタクロースと小人たちの世界観を味わってほしいと願い、そっと本棚に並べて置いた。
・クリスマスの絵本がもたらしてくれる「わくわく」
この時期、書店に行くと驚くほどたくさんの「クリスマス」の絵本が並んでいる。
昔からある絵本もあれば、新しい絵本も。
アドベントカレンダーになっていたり、しかけ絵本になっていたりする特殊な絵本もある。ほかにも、大きな絵本、布製の絵本、きらきらと光る絵本。
どれもこれも素敵で、クリスマスコーナーに並んでいる絵本たちを見るだけで、どっと「わくわく」感が押し寄せてくる。
絵本を見る子どもたちも、誰かにプレゼントしようと手にとる大人たちも、目がぴかぴかと輝いている。
内容は、同じようなものも多いんだろう。
サンタさんが出てきて、プレゼントをくれるという定番のストーリー。
それでも、それぞれの絵やイラスト、添えられた言葉、しかけや工夫を楽しみたくて、何冊も買いたくなってしまう。
これも、クリスマスの魔法なのかしら。
クリスマスの絵本に閉じられている、あったかい幸福感を味わいたくて、私は大人になってからも、クリスマス絵本を手に取ってしまうのだ。
今日の記事を飾ってくださったのは、イラストレーター「のだかおり」さん。キュートな絵柄とほっこりあったまるシーンのイラストに癒される。
ずっと使ってみたかったものの、けっこう大きな絵が目について、なかなかチャンスを逃していたが、今回こそは。
優しい色で塗られた絵は、冬に凍えた冷たい心をほこほこ温めてくれる気がする。