体そのものを「あっためる」ような冬に
寒くなってきた。
ようやくやってきた秋が、唐突に終わりを迎えようとしているのを感じる。
このあいだまで、「長袖暑いなあ~」なんて言っていたのに、今日は「上着いるやん!」という状態である。
そりゃあ、体も混乱するはずだ。
寒くなると、エアコンの暖房をつけるのだが、どうも苦手だ。
年齢を重ねたせいか、部屋の空気が乾燥して、カサカサするのをすごく感じるようになった。
私の住んでいる地域はとても寒くて、大雪警報が出ることもある。
エアコンの温度をちょっとあげるくらいでは、到底部屋の温度はあがらない。
よって暖房強風、そして部屋カサカサ。
そんなとき、我が家は「ファンヒーター」の出番となる。
南国生まれの夫は使ったこともないと驚いていたが、やはりエアコンよりだいぶあったかい。
私は幼少期から、ほどほど寒い地域に暮らしていたので、ファンヒーターはなじみ深い。
灯油がきれるたび、お父さんが寒い玄関で継ぎ足してくれていたっけ。
部屋で待っていればいいものを、なんとなくお父さんの入れる灯油が容器に溜まっていくのを見たくって、玄関にいっしょについていったものだ。
あのときは、灯油を入れる父を見ているだけだったが、今、親になって、この灯油を入れるのが本当~にめんどくさい・・・。
幼き私とおんなじで、子どもたちは、やっぱり玄関についてくる。
正直、すごく邪魔だ。笑
父も「邪魔だなあ」と思っていたのだろうか。
だとしたら、親の心子知らずだった。
灯油だけではない。
ファンヒーターの厄介なところは、子どもが触らないようにするのに厳重に注意しなければならないところだ。
「熱いの出るからさわっちゃだめだよ~」
と、聞くわけもないルールを一応告げてみるも、やはり気になるようで。
熱風噴き出すファンヒーターにむかっていく我が子にびびり倒し、結局いそいそとバリケードをこしらえるはめになる。
今年は、好奇心のかたまり次男が動き出して、はじめての冬。
どうしたものかと、今から頭を悩ませている。
こたつを出すと抜け出せなくなるし、部屋のなかで厚着をするのもいやだなあ。
ちなみにホットカーペットは一応敷いていて、すでに稼働中だ。
そんなかんじで、寒い冬を迎えようとしている我が家。
みなさんは、どうやって「あったまって」おられますか?
そんななか、ふと『天然生活』のバックナンバーを読んでいるとき、「冷えとり生活」について取り上げられているのを目にした。
いわく、「冷え」は「冷え性」のことではなく、下半身が上半身より冷えていることを言うそうだ。
私もそうかも、と足をさすりながらおもう。
そもそも「冷えとり健康法」は、東洋医学の治療院をされていた遠藤義晴さんが考案され、その後世間に広まったそうだ。
そのコーナーでは、娘の遠藤幸恵さんが「冷えとりのメカニズム」や、いろいろな冷えとり方法を紹介していた。
「半身浴」や「足湯」、「靴下の重ね履き」、そのほか食事や呼吸のことなども。
そのいろんな方法を読みながらおもったのは、
どんなに暖房の温度をあげて、部屋の空気をあっためても、体そのものがあったまっていなければ、芯は冷えているままだよなあ
ということだ。
よし、私も体そのものをあっためよう。
と思ったものの、立ち止まる。
「半身浴」とか「足湯」とか、本来お風呂好きの私はすっごくやりたいし、きっと体があったまるのも分かる。
でも、「半身浴」は最低20分、「足湯」は30分と書かれていると、なかなか手が出ない。
「靴下の重ね履き」も、どうにも抵抗がある。
(やってから言えよという話だが)
今の自分の生活にあわない「冷えとり」は、ハードルが高くてできそうもない。
でも、ちょっとした工夫くらいならできるのでは?
たとえば食事で、ちょっとだけ「あっためる」を意識するくらいなら。
「ショウガ」を取り入れるとか。
冷たい物より、あったかい飲み物を飲むとか。
うん、そのくらいなら、できそうだ。
部屋のなかでも、寒いときには膝にブランケットをかけるとか。
寝るとき、湯たんぽを抱っこするとか。
そんなほんの小さな工夫なら、今の私でも手が届く。
遠藤幸恵さんのお話でも、「こうするべき、という考えは冷えとりにはありません」と書いてあった。
頭であれこれ悩み、正しい方法ばかり考えて、結局何もしないなんてことにならないよう。
自分ができる範囲のことを、始めてみるのもいいかもしれない。
ということで、今年の冬は、手っ取り早く空気ばかりあっためないで、自分の体そのものをあっためる工夫を取り入れてみようかな。
寒くなるのが憂鬱だったけど、体をあっためる方法を考え出すと、ちょっとだけ心がわくわくしてきて、あったまったような気がした。