見出し画像

朝起きたら子供だった件


 僕の名前は弓木○○。二十五歳の会社員。なんだけど・・・

○○:・・・なんじゃこりゃーーーっ!

 何故か子供になっていた。

○○:どうなってんだ?

 謎でしかない。

○○:参ったなぁ・・・奈於ちゃんも居ないし。

 奈於ちゃんとは、僕の奥さんだ。幼稚園からずっと一緒の幼馴染み。今は友達と旅行中の為、家には居ない。

○○:母さんに連絡する?でも、どう説明しようかな・・・子供になったから助けて?信じてくれる筈が無い。・・・どうするかなぁ・・・奈於ちゃんが帰ってくるまで後六時間。一人でなんとかしなければ。とりあえず、ご飯食べるか。

 ご飯を食べて家事をする。洗い物に掃除に洗濯。全ての家事が大変だった。体が小さい分、全てが重かった。

○○:・・・疲れた・・・

 思わずソファに倒れ込む僕。そしてそのまま眠ってしまった。起きたのは三時間後だった。

○○:んっ。ん~~・・・そっか・・・寝ちゃってたんだな・・・今、何時だろう・・・

?:ただいま~!

○○:!?奈於ちゃん?どうしよう・・・

奈於:○○君?居ないの?

ガチャ🚪

奈於:○○君。・・・誰!?

○○:あ、えっと・・・(心:正直に言う?でも信じてくれるかどうか・・・)

奈於:・・・なんか、昔の○○君に似てるような・・・

○○:・・・

奈於:・・・そんな訳ないよね・・・君、お名前は?

○○:・・・○○です。

奈於:・・・同じ名前だ・・・どこから来たの?

○○:奈於ちゃん。僕だよ。○○だよ!

奈於:どうして私の名前を・・・

○○:だから!僕は弓木○○。正真正銘!アナタの旦那です!

奈於:・・・ホントに○○君なの?

○○:うん!うん!

奈於:・・・なんで子供に?

○○:分かんない。

奈於:そっか・・・ね、ねぇ、○○君。

○○:なに?

奈於:・・・ごめん!

○○:へ?

奈於:ギューーッ

○○:わぷっ!ちょっ、奈於ちゃん!?

奈於:えへへ。可愛いぃ💕

◯◯:ちょっ、奈於ちゃん・・・く、苦しいです・・・

奈於:あ、ゴメンね。あまりにも可愛いからさ。

◯◯:なんか複雑・・・

奈於:ふふっ。そういえば、ご飯は?

◯◯:ちゃんと食べたよ。

奈於:そっか。なら良かった。・・・よいしょっと。

◯◯:うわっ!ちょ、奈於ちゃん?

奈於:ふふっ。ナデナデ👋

◯◯:あぁ~・・・(心:なんだコレ・・・スゴい落ち着くんですけど・・・)

奈於:ふふっ。子供が出来たらこんな感じなのかな・・・

◯◯:・・・

奈於:ふふっ。ナデナデ👋

◯◯:あぁ~・・・

奈於:でも、困ったねぇ。なんで急に子供になっちゃったのかなぁ・・・?

◯◯:さあ?

奈於:・・・でも、このままでも良いかも。

◯◯:いやいや、それは駄目でしょ!

奈於:だよね。ナデナデ👋

◯◯:おぉ~💕なんか癖になりそう・・・

奈於:ふふっ。◯◯君が溶けちゃってる。可愛い💕

◯◯:にしても、不思議だなぁ・・・なんで子供に・・・

奈於:実は甘えたいから、とか?

◯◯:え?うーん・・・

奈於:無いか。いつも甘えてるもんね。

◯◯:そんなに甘えてないし・・・

奈於:ふふっ。その姿で拗ねてると、ホントに、子供みたいだね。

◯◯:・・・早く元に戻りたーい!

奈於:ふふっ。それにしても、懐かしいね。

◯◯:?何が?

奈於:昔、私が好きだった◯◯君のままだなぁって思って。

◯◯:・・・奈於ちゃん、幼稚園の頃から僕の事好きだったの?

奈於:そうだよ。◯◯君、全然気付いてくれなかったけど。

◯◯:うぐっ。それは、ごめん。

奈於:良いよ。全然気にしてないから。それに・・・

◯◯:?

奈於:今は幸せだから。

◯◯:奈於ちゃん・・・これからも、宜しくね?

奈於:こちらこそ。

二人:ふふっ。

奈於:よし!そろそろ晩ご飯作ろうかな。

◯◯:もうそんな時間か・・・

奈於:えっと、冷蔵庫は・・・何もない。

◯◯:マジ?

奈於:買い物行こうかな。◯◯君も行く?

◯◯:行く!

奈於:じゃあ行こう!それにしても、声も子供みたいだね。

◯◯:うん。中身と記憶だけそのままみたい。

奈於:へぇ~・・・ふふっ。やっぱり可愛い。ナデナデ👋

◯◯:いちいち撫でないでくれます?

奈於:ごめんごめん。ナデナデ👋

◯◯:むぅ~・・・

 買い物の為、スーパーにやって来た。

◯◯:何買うの?

奈於:そうだなぁ・・・なんか食べたいもの有る?

◯◯:うーん🤔ハンバーグとかかな。

奈於:ハンバーグかぁ・・・じゃあそうしよっか!

◯◯:いぇーい!

店員:ふふっ。

◯◯:?

店員:親子で買い物なんて、良いわね!

◯◯:親子!?親子じゃないよ!夫婦だよ!

店員:え?

奈於:あ、あぁ~!この子、私の甥っ子なんですけど、将来は私と結婚するって言ってくれてて!凄く可愛いんですよね!

店員:あぁ~、なるほど。ふふっ。結婚出来ると良いわね?

◯◯:だから!もう結婚してるの!

奈於:はいはい。分かったから。行くよ。

店員:ふふっ。

◯◯:むぅ~!

奈於:もう、しょうがないでしょ?今の◯◯君は子供なんだから。

◯◯:そうだけどさ・・・僕は奈於ちゃんの夫だもん。

奈於:・・・チュッ

◯◯:へ?

奈於:今はコレで我慢して?ね?

◯◯:・・・うんっ💕へへへっ/////

奈於:ふふっ。ナデナデ👋

◯◯:はっ😮早く買い物して帰ろ!

奈於:分かってるって。あ、お蕎麦買わないと!

◯◯:お蕎麦?なんで?

奈於:なんでって、年越しそばのためだよ。

◯◯:年越しそば・・・今日年末だっけ?!

奈於:うん。大晦日だよ。

◯◯:すっかり忘れてた。

奈於:ふふっ。それどころじゃ無かったもんね。

◯◯:はぁ~・・・この姿で年越しって、昔みたいだよ。

奈於:そうだね。明日には戻ってるかな?

◯◯:どうだろうね。戻ってると良いな!

奈於:ふふっ。そうだね。

 それから買い物を終えて帰宅。二人で晩御飯の準備をする。

奈於:ふぅ~・・・コレで後は、待つだけだね。

◯◯:おぉ~。

奈於:ふふっ。◯◯君。

◯◯:なに?

奈於:ギュッ

◯◯:おわっ!もう!急に抱き上げないでよ!

奈於:へへっ。ごめんごめん。ナデナデ👋

◯◯:そ、そんなんで許されるとは・・・おぉ~💕

奈於:ふふっ。可愛い💕食べちゃいたい💕

◯◯:ぎゃ~・・・

奈於:ふふっ。

◯◯:へへっ。

 それから支度を終え、二人向かい合って食べ始める。

◯◯:んぅ〜!やっぱり奈於ちゃんのハンバーグは一番美味しい!

奈於:ふふっ。ありがとう。お蕎麦はどうかな?

◯◯:ズズッ。うん!美味しい!

奈於:良かった!ズズッ。うん。良い感じ。

二人:ふふっ。

 晩御飯を食べ終え、お風呂に入り、年が明ける瞬間までのんびり過ごした。

奈於:そろそろ年が明けるね。

◯◯:・・・

奈於:?◯◯君?

◯◯:んぁ?

奈於:ふふっ。眠くなっちゃった?

◯◯:だい、丈夫・・・コクッ😑コクッ

奈於:布団行こっか?

◯◯:コクッコクッ😑コテン

奈於:ふふっ。ね?

◯◯:・・・うん・・・

奈於:ふふっ。

寝室

◯◯:スゥ、スゥ、スゥ・・・

奈於:ふふっ。疲れちゃったかな。おやすみ。◯◯君。

 翌日・・・

◯◯:寝てしまった。はぁ~・・・

奈於:おはよー、◯◯君。

◯◯:おはよう。

奈於:まだ子供だね。

◯◯:・・・うん。

奈於:こんな状況だけど・・・明けましておめでとうございます。

◯◯:おめでとうございます。今年も宜しくね。

奈於:こちらこそ、宜しくお願いします。じゃあ、朝ご飯食べよっか。

◯◯:うん。

 結局、元に戻ることは無く、子供のまま年を越した。

奈於:今日は初詣行こっか。

◯◯:あ、うん。大人に戻れるようお願いしないと。

奈於:そうだね。私も着物出さないと。

◯◯:着物で行くの?

奈於:うん。せっかくの初詣だしね。

◯◯:そっか・・・奈於ちゃんの着物姿、宇宙一可愛いんだろうな。

奈於:宇宙一は大袈裟だよ///

◯◯:いや!宇宙一だよ!

奈於:ふふっ///ありがとう。

◯◯:あ~あ!早く大人に戻りたい!

奈於:・・・ナデナデ👋

◯◯:な、奈於ちゃん?

奈於:えへへ💕可愛い💕

◯◯:・・・///早く着替えてきたら?

奈於:ふふっ。は~い。

◯◯:ふぅ~・・・

 それから数分後・・・

◯◯:そろそろかな?

奈於:おまたせ。

◯◯:ううん。・・・わぁーお。

奈於:どうかな?

◯◯:やっぱり、宇宙一可愛いよ。

奈於:ありがとっ///じゃあ、行こ?

◯◯:うん!

 家を出て、手を繋ぎながら神社に向かう。

奈於:さすがに人が多いね。

◯◯:うん。

奈於:早いとこお参りして、移動しよっか?

◯◯:は~い。

奈於:ふふっ。

 人混みを抜け、参道に並ぶ。

奈於:凄い。行列も出来てるなんて。

◯◯:長くなりそう。

奈於:ふふっ。そうだね。

 それからしばらく並び、やっと自分達の番が来た。

◯◯:一、二。👏パンパン🙏(心:大人の姿に戻れますように。)

奈於:👏パンパン🙏(心:今年も一年間、幸せでいられますように。)

二人:ペコッ

奈於:行こっか。

◯◯:うん。

奈於:次どうする?

◯◯:うーん🤔あ、おみくじ引こう!

奈於:分かった!

◯◯:おみくじ、おみくじ。これだ!

奈於:じゃあ私も。うーん🤔よしコレ!

◯◯:せーので開けようよ!

奈於:良いよ!それじゃあ行くよ!

二人:せーの!オープン!

◯◯:吉だ。

奈於:私も吉。

二人:・・・微妙。

◯◯:何とも言えないね。

奈於:ねぇ。可もなく不可もなく。

二人:ぷっ😙アハハハハっ!

◯◯:まあ、二人合わせて中吉って事で!

奈於:大吉じゃないんだ?

◯◯:中吉ぐらいがちょうど良くない?

奈於:どうせなら大吉が良いけど、まあ良いか。

◯◯:じゃあ、結んじゃおう。

奈於:うん!

 おみくじを結び付けて移動した。

奈於:あ、お団子あるよ。

◯◯:ホントだ。せっかくだし食べていこうよ!

奈於:良いよ。何を食べる?

◯◯:シンプルに三色団子かな。

奈於:そっか。じゃあ私は、みたらし団子にしようっと!すいません!

お団子屋さん:いらっしゃいませ。

奈於:えっと、みたらし団子を・・・三本。三色団子を、何本にする?

◯◯:じゃあ、三本!

奈於:三色団子も三本で。

お団子屋さん:かしこまりました。少々お待ちください。

 数分後・・・

お団子屋さん:おまたせしました。みたらし団子と三色団子を三本ずつです。

奈於:ありがとうございます!

お団子屋さん:ごゆっくりどうぞ。

奈於:はい◯◯君。

◯◯:ありがとう。

奈於:じゃ、いただきます。

◯◯:いただきます!

二人:パクッ

◯◯:んぅ〜!美味しい!やっぱ正月はお団子だね。

奈於:ふふっ。

 二人でお団子を食べ、その後移動した。それからあっという間に夕方になった。

奈於:あっという間だったね!

◯◯:うん。でも、楽しかった!

奈於:ふふっ。うん!

 それから帰宅し、晩御飯を食べる。

◯◯:うん。今回も美味しい!

奈於:良かった。

◯◯:やっぱり正月は、明太クリームパスタだよね!

奈於:そうなの?

◯◯:そうだよ!

奈於:そっか。じゃあ、また近いうちに作ってあげるね。明太クリームパスタ!

◯◯:やったね!

奈於:ふふっ。

 晩御飯を食べ終え、それぞれお風呂に入る。お風呂からあがり、二人でテレビを見ながらアイスを食べる。

◯◯:冬のアイスも最高だよね!

奈於:そうだね。・・・ふふっ。

◯◯:?どうかした?

奈於:時々、小さくなってる事を忘れちゃうんだよね。

◯◯:・・・慣れって怖いね。

奈於:ね!さて!アイスも食べ終わったし、今日はもう寝よっか。

◯◯:そうだね。明日には戻りたいな。大人の姿に。

奈於:ふふっ。あ!

◯◯:ん?何?

奈於:最後に、良いかな?

◯◯:最後に?

奈於:うん。明日には、大人に戻るかもしれないからさ。

◯◯:・・・何をしたいのかは、なんとなく分かるよ。・・・はぁ~。しょうがない。こうなったら、思う存分やっちゃって!

奈於:やった!それでは、失礼します!ギュッ

◯◯:・・・///

奈於:えへへ💕可愛いぃ💕ナデナデ👋

◯◯:なんか、クセになるよねぇ。おっ、へへっ。

奈於:やっぱり食べちゃいたい💕へへっ💕今日は、抱きしめたまま寝ていいかな?

◯◯:え・・・い、良いけど。

奈於:やった!じゃあ、このままベッド行こうね。

 そのままベッドに行き、奈於ちゃんに抱きしめられながら眠りに就いた。そして翌朝。

◯◯:・・・戻った!

奈於:良かった!元に戻って!

◯◯:うん!やっぱり、こっちの姿の方がしっくりくるな。

奈於:そりゃそうだ。・・・ところで、◯◯君。

◯◯:?なに?

奈於:・・・ハグしよ?🤗

◯◯:え、ハグ?

奈於:うん。ハグ///

◯◯:どうしてハグ?

奈於:だって・・・最近抱きしめられてないから。

◯◯:まあ、子供になってたし、その前も家に居なかったからね。

奈於:うん。だから、ね///ダメ、かな?

◯◯:・・・ギュッ

奈於:・・・えへへ/////

◯◯:・・・(心:可愛い瞬間いただきました!)よし!今日も元気にいこうか!

奈於:◯◯君。

◯◯:なに?

奈於:今回◯◯君が子供になった事で、思った事があるんだけど、いいかな?

◯◯:思った事。なに?

奈於:・・・/////バサッ

奈於:◯◯君との子供が欲しいなぁ、なんて・・・

◯◯:・・・ドサッ

奈於:ふぇ/////◯、◯◯君?

◯◯:ごめん。あまりにも可愛い過ぎて。良いよ。奈於ちゃんとの子供、僕も欲しかったし。

奈於:で、でもほら!まだ朝だし/////

◯◯:善は急げって言うでしょ。ね?

奈於:っ/////

 この日は一日中、甘い声が聞こえていたらしい。因みに、僕達に子供が出来るかは、また別の話。




fin.

いいなと思ったら応援しよう!