個人の語りを聴き、人生を紐解く営みについて学びあうゼミ。ライフストーリーやみのうえばなしにフォーカスしたライティング文化をつくる「みんな主人公計画」プロジェクトです。
Oga Maho
エッセイの練習帳です。 じわじわかきます。 のろのろつづけます。
星座には太陽星座のほかに月星座がある、ということを、最近占い好きの友人から教えてもらった。なんでも太陽星座は表の性格、月星座は普段隠れている裏の性格を示すのだという。 「真帆ちゃんもやってみなよ」と促されて自分の生年月日で調べてみると、太陽星座が射手座、月星座が双子座だった。射手座の性格は “好奇心旺盛” “飽きっぽい” “退屈なことが苦手” で、双子座の性格は “旅好きでお話し好き” “おおざっぱ” “移り気”。占いにありがちな「実は〇〇な側面も…」といったひねりもなく
「ライターとして取材をするなかで、自分のことを話すのが上手でまとまりのある話をしてくださる方もいれば、話がまとまらずに、取材が終わった後に、『ごめんね、こんなまとまってない話して』っておっしゃる方もいるんです。そういう時に、それでも大丈夫だよって言ってあげられるような、信じてもらえるようなライターになりたいんです。」 ゼミの中で、他の参加者の方から発された言葉。信じる、という日常生活から少し離れた言い方が妙に印象的で、しばらく口の中で転がした。 ーー 先月から始ま
〈3月末か4月の初め頃の土日って空いてる?〉 氷の溶け切ったコンビニコーヒーをすすりながら、無限に来る業務メールを捌いていた昼下がり、突然一件のLINEが届いた。大学時代の友人のさきちゃんからだ。さきちゃんは、フリルとコスメと甘いものが大好きな女の子で、よく講義終わりに買い物に出掛ける仲だった。しかし、就職してからはお互い忙しく、ろくに連絡も取っていない。 東京生まれの悲しい習性で、友人から久しぶりの連絡が来ると、マルチか宗教勧誘かと警戒の構えをとってしまうのだが、どう
その晩は、ちょっとした苦しさが魚の骨のように喉に引っかかっていた。未読にしたままのLINEのこととか、読めずに溜まっていく本のこととか、そんなほんの小さなこと。 友達に電話をかけるには些細すぎて。でも、一人で寝てしまうには、きっと息苦しい。そう思った私は、少し遠回りして寺町通りを歩いて帰ることにした。 寺町通りは、その名の通り、寺がひたすらに並ぶ一本道である。キリスト教が厳しく弾圧されていた長崎で、仏教徒であることを証明する必要があった…というこの土地ならではの理由も
最近、くどうれいんさんのエッセイばかり読んでいる。柔らかい文体、くすっと笑ってしまうそうな言い回し、そして飾りたくなるような可愛い表紙。好きなところはたくさんあるが、なかでも秀逸なのは登場人物の描写だと思う。 これは「飛んじゃったサンキャッチャー」というお話のなかの一節だ。エッセイは小説に比べて短いため、登場人物の紹介を長々することができない。それなのに、くどうれいんさんのエッセイはその一瞬でキャラクターの愛らしさが伝わる。なんなら、会って友達になりたくなってしまう。読