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京都で染織関係の仕事をしながら、趣味で能の謡・仕舞のお稽古に通っています。 旅に出るの…

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京都で染織関係の仕事をしながら、趣味で能の謡・仕舞のお稽古に通っています。 旅に出るのが好きで、小さい娘を連れてあちこち出かけることも多いです。 日本の伝統的な染織文化や能にまつわる記事、それと各地の旅行記を融合させたようなものを書いて行きます。 サポートはお稽古代にしようかな。

最近の記事

座繰りを体験する

着物の「糸」づくり 着物が好きな方には説明する必要もないようなことだが、一般的に「呉服」と呼ばれる絹の着物には、蚕の繭からとった糸を、①糸の状態で染色し、その後に織り上げる「先染め」と呼ばれるものと、②糸をまず製織し、白い反物「白生地」の状態にしてから染色する「後染め」と呼ばれるものが存在する。 その「後染め」呉服の土台となる「白生地」、さらにその構成単位となる「糸」を作る作業を体験してきたので、そのご紹介と共に、素材づくりの面から呉服の面白さをお伝え出来ればと思う。

    • 10年勤めた会社を辞めて独立した理由〜3(完)

      勝手に遺志を継いで 10年間の出来事を思い出しながら徒然なるままに記事を書いていたら、思いのほか長くなってしまった。 ともかく私は先代社長との個人的な、精神的つながりだけを頼りに勤めていた訳だから、その対象がいなくなってしまった後、会社を去るのは必然のように思われた。もちろん会社人として、家庭人として、勤め続ける意味も理由もあったし、彼の遺志を継いで社業を発展させる為に尽力するのが、残された者の使命であるという考え方もあると思う。 だが、悲しいかな先代の掲げた「日本の染織

      • 10年勤めた会社を辞めて独立した理由〜2

        ブラック家族経営、さりながら… カリスマ社長との運命的な出会いを経て、非常に幸福な形でスタートした私の呉服屋キャリアであったが、入社してすぐ、この店が現代的な意味で「従業員に優しい」「ホワイトな」企業では無いことに気づかされる。 …正確に言えば、ある程度予想が的中していたことを目の当たりにする。誰の得にもならないので細かくは言及を避けるが、江戸時代のオープンからこの方、つい20年ばかり前まで150年ほどの間、一つの家の中で家族と、番頭さんとお手伝いさんくらいの規模感で切り盛

        • 10年勤めた会社を辞めて独立した理由〜1

          ※画像は本文の内容と関係ありません さよならは突然にnoteでもYouTubeでも何でも、SNSを利用する際に最も大切なことが「投稿を続けること」だと言われる。私は生来飽きっぽい方で、仕事でも勉強でも人間関係でも、じっくり粘り強く向き合うということが苦手だ。 少し面倒なことがあると、途端にやる気が失せ、途中で投げ出してしまう。 そんな私だが、noteを始めてからすぐに長期のブランクを空けてしまったのには別の理由がある。勤めていた会社を退職する、という人生の大きな節目に直面

        座繰りを体験する

        • 10年勤めた会社を辞めて独立した理由〜3(完)

        • 10年勤めた会社を辞めて独立した理由〜2

        • 10年勤めた会社を辞めて独立した理由〜1

          新緑よりも好きなもの

          今年の4月からnoteを使い始めて、あっという間に5月に入ってしまった。 前の記事で書いたように、私は日々の暮らしの中で目に留まる花々になるべく注意を向けたいと思っている。 が、5月は何と言っても新緑である。 この時期、よく晴れた日に新緑の森林に分け入って木々の葉の間から差し込む日の光に目を細めながら誰もいない小道を歩くことほど気持ちの良いことはない。 また、そうして眺める新緑の木々は圧倒的に美しい。日毎に高まる光を受けて生まれる複雑な陰影、青々と瑞々しい若葉の向こうみずな

          新緑よりも好きなもの

          石清水八幡宮 【お能聖地巡礼記 #1】

          ◉能楽の「聖地巡礼」をせんと欲す 京都府八幡市男山に存する、石清水八幡宮に参詣した。能「弓八幡(ゆみやわた)」の舞台となった神社である。 趣味でお謡とお仕舞の稽古をつけていただいているので、お能に関係の深い場所や舞台となった土地を訪れる「聖地巡礼」を目的としたものである。 私は、お能の「聖地」を全て巡り尽くしたい、と思っている。もちろん「全て」と言っても私の目に留まる限りの範囲で、という意味だが。 詳しい方には周知のように、能楽は室町時代に現在につながる元型が整えられ

          石清水八幡宮 【お能聖地巡礼記 #1】

          桜が散ったら何を見る?

          例年よりかなり早い開花となった今年の桜、4月も一週間を過ぎて流石に散ったのが多いものの、牡丹桜など八重のタイプはこれから見頃を迎えるものもある。 ただ、入社式を終えた新社会人さんや、入学式、始業式を終えた学生さんの姿も見られなくなると、何となしに「桜の季節」は終わってしまったようにも感じる。 京都市内に住んでいると、観光客を呼び込むためのポスターをよく目にするが、桜の次は新緑の青紅葉が人気である。蹴上のツツジや平等院の藤棚、大田神社の杜若や三室戸寺の紫陽花なども有名どころ

          桜が散ったら何を見る?

          都をどりは

          ヨーイやサーの掛け声と共に、7年ぶりにリニューアルオープンした祇園甲部歌舞練場にて「第149回 都をどり」の初日を迎えました! 長きに渡った耐震工事の末の再開とあって、どんな変化があるのか、以前の雰囲気が壊れてしまわないか、期待と不安が入り混じっておりましたが… いざ中に入ってみると、びっくりする程かつての面影を残してくれていました!これは良い意味でサプライズ!(もちろん、私よりもっと馴染みの深い方には「前と全然違う!」というご感想もあるかも知れません) 長く維持して行く

          都をどりは