臨床推論 Case30
【症例】
29歳 男性
【既往】
SLE
【経過】
⚫︎ SLEの患者が発熱、腹痛で受診された
⚫︎ CTでは真ん丸な低吸収な病変が肝臓に散在していた
⚫︎ 肝膿瘍として抗生剤を2週間使用したが改善なし
⚫︎ MRIでは肝臓の血管に沿ってT1で低信号の病変を認めた
⚫︎肝生検の結果は以下の通り
壊死と動脈内に血栓を認めヘモジデリン沈着を認めた
⚫︎ LA 2.45と陽性でカルジオリピンやβ2グリコプロテインは陰性であった
What’s your diagnosis?
【診断】
APSによる肝梗塞
【治療経過】
⚫︎ ステロイド、MMF、免疫グロブリン、抗凝固で治療し改善した
⚫︎ 3ヶ月後のMRIでも病変は縮小していた
【考察】
⚫︎ SLEでも血管炎が生じる
⚫︎ APSでは血栓を生じるためこの2者が関与したと考える
⚫︎ MRIは肝梗塞も肝膿瘍もともにT1 lowになる
⚫︎ しかし肝膿瘍と違って肝梗塞はmass effectがない
⚫︎ また肝梗塞は胆管、門脈、動脈にそって生じる
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