博打を助長するので竹井はリジェクト!
リジェクト…却下、不合格、拒否という意味。
私の家には、プラスチックケースいっぱいの取り扱い説明書がある。
テレビや照明から始まって水道や換気に至るまで、どこの家でもそうだと思う。
何か不具合が起こった時に慌てて見るが、それ以外は目もくれない。
家電製品を買った時に、取り扱い説明書をすべて読んでから使う人などいないだろう。
そんなことをしていたら、何日たっても道具を使えない。
「とにかくやってみる。」
人間にはこの能力があるからこそ、多くの道具を使いこなし、進歩するのだと思う。
「LINEのスタンプ作って売ったらいいじゃない。」
LINEが流行り始めた頃、友人に言われた。
私は漫画作品を作っている。
アシスタントにそれらのキャラクターをスタンプにさせて売れば簡単に儲かると言うのだ。
しかし、私は聞き流していた。
スタンプについてはよく知らないが、どんなことも簡単ではないし、すべて人任せにすることなどできない。
やるからには、それなりのものを作らなければならないし、そんなに儲かるものだとも思えない。
だが、気が変わった。
私が漫画を描くペースが遅くなり、アシスタントの仕事が減ってきたのだ。
アシスタントは作品が出来なければ仕事がない。
仕事が無ければ給料が払えない。
すると、アシスタントはアシスタントを続けられない。
私もアシスタントがいなければ仕事が出来ないので困る。
それで私が作品を作れない時でも、アシスタントが仕事をできるように、赤字覚悟でスタンプを作ってみようかと思った。
ところが、私はスタンプというものを使ったことがない。
そもそもLINEをやらないし、ショートメールですらほとんど使わない。
今では非常識かもしれないが、用があればいつ何時でも電話をする。
だから、一度もスタンプを見たことがなかったし、何の用途で使うのか全く分からない。
しかし、あれこれ考えていても何も始まらない。
こういう時こそ「とりあえずやってみる。」の精神が大事なのだ。
とにかく、何でもいいから一つ作ってみることにした。
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