峠道君を乗せたる逢魔が時我がてのひらは汗に濡れつつ 君を乗せて逢魔が時のドライブ。大切な人を乗せているから、楽しいけれど緊張する。それが峠道ならなおさら、てのひらが汗で濡れてしまう。(峠道にはラブホテルもたくさんある)
まあこれで良いのだ。納得いかない部分ももちろんあるけど。たとえ真相は闇の中だとしても。願わくば無垢の者が傷ついていないことを祈るよ。
もう一度ふり返らずに突き進め光あふれる若きヒーロー もう一度、流言飛語にまどわされず、信じた道を突き進んでほしい。君はヒーローだってことを忘れてはいけない。たくさんの人が、光り輝く君を待っているのだ。
戦争は戦争好きが始めたると当たらずといえど遠からずなり 昔、祖母が「戦争が好きな者が戦争を始めるんだ」と言っていた。今考えると当たらずとも遠からずのような?
新幹線通りすぎたる広き土地かつての職場今は消えたり 新幹線の窓から、かつて勤めていた会社の建物が見えたものだが、いつの間にか消えてしまっていた。栄枯盛衰は人の世の常である。
君と彼溶けるほどに愛し合い世にこれほどの妬ましきはなし 君は彼と愛し合っているのだね。この世にこんなに妬ましいことはない。嫉妬で焼けてしまいそうだ。
我と彼長きにわたりいがみ合い弾薬ばかりが空しく飛び交い どうして争うのをやめられないのか。それが本能だから? 弾薬ばかりが飛び交って意味もなく殺戮ばかりが続いている。
東京で大雪に遭いし人混みをひとり颯爽と歩いてみたい 東京で3センチの積雪というと大雪だが、雪国育ちの自分にとっては降ったうちに入らない。颯爽と歩いて、優越感を味わいたいものだ。
湧くやうに生まれいでたる霊長類きっと宇宙人も呆れてゐる 生命の歴史から見たらほんのわずかな間に生まれ、幅を利かせている人類。きっと宇宙人も呆れていることだろう。
恋しひはたやすく憎きに変わりたりただ一時の逢瀬かひなし 恋愛感情は簡単に憎しみに変わってしまう。場合によっては殺意にも。こんなことなら、出会いなどない方が良かったとも思われるのだが。
今はただ清々しきと思へどもやがて来たれる寂しさを待つ 父の介護が終わり、スッキリしたというのが正直なところだが、これから寂しさがやって来るという。だとすれば、そのことが待ち遠しい。
バブル期はどんちゃん騒ぎの日本人頼みの綱は恐怖の大王 かつての日本のバブル期、自分は多感な時期を過ごした。皆が架空の好景気に浮かれ、いい加減な世の中だった。でも、わかってはいたのだ。いずれノストラダムスの預言が的中して、恐怖の大王がすべてを終わらせてくれると。
クソ親父と言いたる後に悔やむよりもはや言えぬ寂しさが勝ち 父の生前、クソ親父とか言ったものだが、もはや言うことは出来ない。後悔よりも寂しさ。もっとたくさん言っておけばよかった。
この世にて君欺かぬとのたまへど命よりなを尊きはなし 君の人生において、先生や先輩が、きみを欺こうとしていろいろ言うだろう。でも騙されてはいけない、命より大切なものなど、ありはしないのだ。
バリスタのレシピ幾度も読み返し可もなく不可もなき味になりける 美味しいコーヒーを淹れたくて、プロのレシピを読み返し、その通りにやっているのに、可もなく不可もなく、という感じにしかならない。何事もその道を極めるということは難しいのだなあ。
たまには恋の歌など。 もともと日本語は、恋愛のために特化してきた言語と言われています。