懲罰的正義の効用とは?
懲罰的正義という言葉があります。これはつまり懲らしめるための正義ということで、コミュニティの利益を脅かすような行動を取ったものに対して制裁を加えることになります。
ぱっとみ問題がなさそうなのですが、問題はコミュニティの定義が人により異なることです。比較的狭いコミュニティを自分を位置づけている人もいれば、より広い文脈の中で自分を位置づけている人もいます。
今日取り上げる論文は、懲罰的正義について論じたものになります。ちなみに発表されたのはおよそ100年前、1918年で第一次世界大戦が終わった年になります。
The psychology of punitive justice
懲罰的正義の心理学
この論文によると懲罰的行動は人間以外の動物にも広く見られるもので、種保存的な衝動であること、この懲罰的衝動は裁判やリンチ、戦争、ビジネスの場でも見られること、しかしながら懲罰的行動には正の効用もあるとされています。
それは進化論的な適者生存のような効果で、社会的にタイリするる者同士が懲罰的衝動によって戦う結果、適したものが残るということ、さらにより優れた社会制度が残っていくというメリットがあるということが述べられています。
Q: どんな人が道徳的離脱をしやすいのか?
明日読む論文:
情熱と道徳的離脱: 政治活動へのさまざまな経路
Passion and moral disengagement: Different pathways to political activism
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?