自閉症における意味の把握の問題
自閉症では言葉の遅れやあるいはコミュニケーションの困難が生じることが知られているが、いったいその原因としてどのようなものがあるのだろうか?
今回取り上げる論文は、自閉症のセンスメイキング(意味形成)のボトルネックについて論じたもの。
詳細に捉える:自閉症における感覚形成、言語、コミュニケーション
Captured by details: sense-making, language and communication in autism
一般に情報処理はミクロの情報がマクロに統合されることで進んでいくことが知られている。ちょっと昔にディープラーニングで猫の絵をコンピュータに大量に見せることでコンピュータが「ねこ」の概念を獲得したように、個別の情報を統合して大きな意味情報として捉えることで概念形成や意味の理解が進んでいく。
ところが自閉症においては個別の情報処理能力が強すぎて、その結果上位概念の統合がうまく行っていないのではないかということが論じられている。
Q: 自閉症スペクトラム障害では概念操作・概念形成が得意な人もいる。あれはなぜか?
明日目を通す論文:
Figurative language processing in atypical populations: The ASD perspective
非定型集団における比喩的言語処理: ASDの視点