心と脳と道徳と
できることなら正しく生きていきたい。しかし、正しさとは脳科学的にはどようなものなのだろうか。
脳の中には「心」を構成するシステムがあり、これはデフォルトモードネットワークと呼ばれている。その中でも内側前頭前野(添付図のMPFC)と呼ばれる領域がその中心になっていると考えられている。
この領域は、他のデフォルトモードネットワークを構成する領域とつながって様々な心理的状態を作り出す。
例えば誰かに共感したりだとか、表情を伺ったりだとかだ。それに加えてシャーロック・ホームズのように理詰めで相手の心を理解することなどもやってのける。
脳の感情中枢としては、扁桃体と島皮質があり、内側前頭前野はこれらの領域とつながって、道徳感情を引き起こしているのではないかと考えられている。
扁桃体は不安と恐怖に関連する領域であるが、道徳にはやはりある程度ネガティブな感情も必要なのかと思ったりする。恥も畏れも知らないような人間は道徳性を持ち得ないのではないかと。
今日もなんとか内側前頭前野を働かして、この人間社会をわたっていきたい。
【参考文献】
Li, W., Mai, X., & Liu, C. (2014). The default mode network and social understanding of others: what do brain connectivity studies tell us. Frontiers in human neuroscience, 8, 74. https://doi.org/10.3389/fnhum.2014.00074
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