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道徳的アイデンティティが戦争における加害行為を抑制する?

道徳的離脱という概念があります。これは「ちょっと拝借するだけ」、「みんなやってるから」、「メリットのほうが大きいから」といった理由で、道徳から外れたことをするような心の働きになります。

戦争においてはこの道徳的離脱により相互に様々な加害行為が行われますが、その心理的メカニズムについて調べたのが本日取り上げる論文になります。

グロテスクで暗い美しさ:道徳的アイデンティティと道徳的離脱のメカニズムが戦争に対する認知的および感情的反応にどのように影響するか
A grotesque and dark beauty: How moral identity and mechanisms of moral disengagement influence cognitive and emotional reactions to war

この論文によると、道徳的離脱が高まると、戦争における加害行為(捕虜虐待)に対して賛成する傾向が高くなるのですが、もともと道徳的素質が高い人はその限りではないこと、

また道徳的離脱を促すと戦争における加害行為に賛成する傾向が高くなるものの、道徳的なアイデンティティを意識させるようにすると、その傾向が弱まることが示されています。

Q: 報復の欲求は心理学的に、脳科学的にどのようなものなのか?

明日読む論文:

The psychology of punitive justice
懲罰的正義の心理学

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