同性愛者のアイデンティティ発達の6段階モデル

同性愛者のアイデンティティ形成:理論モデル
Homosexual Identity Formation:

最近、ずっと同性愛者の生理学的メカニズムについてのあれこれを読んでいる。いまだ仮説段階ではあるが、集団適応理論など、それなりに説得力のある理論や実証研究があることがわかった。

とはいえ、一般にアイデンティティというものは生まれつきのものだけではないはずだ。成長の途中で色んな経験をして社会的に育まれるものであるはずだ。

そんなわけでこの論文を読んで見る。

内容については同性愛者のアイデンティティがどのように変遷していくかについて6段階で示したもの。具体的には以下の通り。

ステージ1:アイデンティティの混乱
 社会的認識を通じて自分の同性愛者としての傾向に混乱を感じる

ステージ2:アイデンティティの比較
 自分の同性愛者としてのアイデンティティを消極的に認め他のアイデンテ 
 ィティと比較する

ステージ3:アイデンティティへの寛容
 自分の同性愛者としてのアイデンティティを積極的に認め、他の同性愛者 
 との接触を図る
 
ステージ4:アイデンティティの受容
 同性愛者のサブカルチャー、コミュニティに属し、人間関係の再構築が図  
 られる

ステージ5:アイデンティティへの誇り
 同性愛者のサブカルチャーやコミュニティに誇りを感じ、異性愛者のカル
 チャーを軽んずる

ステージ6:アイデンティティの統合
 同性愛者と異性愛者の二分法的区分が和らぎ、理解のある異性愛者もいれ 
 ば、理解のない異性愛者もいると感じるようになる


なるほどなあという感じはする。なんだか同じような理論は米国における黒人のアイデンティティ形成でも聞いたことがあるような気がする。

広くマイノリティのアイデンティティ形成に応用できそうな印象もある。

例えば発達障害者も似たような傾向をたどるんじゃないだろうか。

Q:性的アイデンティティって生物学的にどんなものなのか?

明日目を通す論文:
性同一性とジェンダーの多様性への生物学的貢献:データをテーブルにもたらす
The Biological Contributions to Gender Identity and Gender Diversity: Bringing Data to the Table
https://link.springer.com/article/10.1007/s10519-018-9889-z


 


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