見出し画像

援助欲求と懲罰欲求の脳活動の違いとは?

私達は様々な社会的欲求を持っています。誰かを助けたいと思うこともあれば、誰かを罰したいと思うこともあります。しかしこういった社会的欲求は一体どのような脳活動を伴っているのでしょうか。

今回取り上げる論文は、加害者と被害者のやり取りを見ている第三者が、加害者を罰したり、あるいは被害者を救済したりしているとき脳活動を調べたものになります。

見知らぬ人を助けるか罰するか:第三者としての利他的な決定と共感的関心との関係の神経相関
Helping or punishing strangers: neural correlates of altruistic decisions as third-party and of its relation to empathic concern

実験では、被験者は独裁者ゲームを行う様子を観察し、不公平な取引を行った独裁者を自費で罰するか、あるいは被害を被った相手を自費で援助するかを選びます。またこの意思決定時の脳活動についてfMRIを用いて調べています。

結果としては、罰するときも助けるときも共にモチベーションに関連する領域である線条体の活動が高まること、また罰するときは線条体と左外側前頭葉とのつながりが増加し、助けるときには線条体と右外側前頭葉とのつながりが増加したことが示されています。
さらにアンケートで得られた共感性検査の結果から、共感性が高い人は援助行動を取りやすく、共感性が低い人は懲罰行動を取りやすいことが示されています。

Q: 懲罰行動にはオキシトシンが関係するだろうか?
明日読む論文:
Oxytocin promotes altruistic punishment
オキシトシンは利他的な罰を促進する


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?