どんな性格の人が政治運動にかかわるのか?
正直なことを言うと、物言う人というのはあまり得意ではない。というのも倫理の本質は何かをためらうこと、躊躇することにあると思っているからだ。その物言いの中に躊躇いがあるのならまだよい。でも躊躇いなく物を言い、実際に活動してしまう人というのはやはり関わることに躊躇してしまう。
今回取り上げる論文は、どんな人が政治活動にかかわるかについて、その性格傾向を探ったもの。
Personality traits (“Big Five”) and the propensity to political protest: Alternative models
性格特性 (「ビッグ ファイブ」) と政治的抗議の傾向: 代替モデル
この研究では、東西ドイツ統合後間もない時期に政治運動に関わった人たちの性格傾向をビッグファイブ(開放性、協調性、誠実性、神経症性、外向性)で捉え、その因果関係を調べようとしたもの。
結果を示すと、政治運動にかかわる要因として、協調性と神経症性は負の要因、開放性と外向性は正の要因として働いていたことが示されている。
人物類型で考えれば、良くも悪くも空気を読まず、くよくよ考えることはなく、新しいガジェットやサービスには敏感で、人好きのするタイプ、ということになるんだろうか。
Q: 人の振る舞いは固有の性格要因と置かれた文脈と、どっちの方により強く影響されるんだろうか?
明日目を通す論文:
行動プロファイルは社会的経験によって形成される:いつ、どのように、なぜ
Behavioural profiles are shaped by social experience: when, how and why