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中高年のアロスタティック負荷は性格で変わるのか?
アロスタティック負荷というのは体調不良の指標である。私達の体は日々同じ状態を保とうとする仕組みがあるが、これはホメオスタシス(恒常性)と呼ばれる。これとは別に体の基本設定を変更させる仕組みがあり、これはアロスタシスと呼ばれる。例えば24時間365日、ストレスフルな状況に置かれると、体はこの状態が普通の状態と判断して、血圧高め、テンション高めの体質に基本設定を変更してしまう。ピンチに追い込まれてスーパーサイヤ人になるような、そんな変化である。
とはいえ、そんな状態がずっと続いていると体の方も悲鳴を上げていろんな病気の発症リスクが高くなる。その意味でアロスタティック負荷が高いというのはあまり好ましいことではない。
今回取り上げる論文は、性格傾向がアロスタティック負荷とどの程度関係するかについてのメタアナリシス研究である。
The Big Five personality traits and allostatic load in middle to older adulthood: A systematic review and meta-analysis
中高年期におけるビッグ 5 の性格特性とアロスタティック負荷: 系統的レビューとメタ分析
メタアナリシス研究は同じテーマについてなされた研究結果をガシャンと取りまとめ、全体的にどの程度関係性が深いかを調べるもの。
この研究では、1980年から2020年の間に発表された研究論文122件を対象にメタアナリシスを行い、性格傾向(ビッグファイブ評価)とアロスタティック負荷の相関関係を求めている。結果として以下のことが示されている。
・ビッグファイブ性格特性のうち、外向性、開放性、誠実性が高い人は、全身性適応負荷が低い。
・神経症的傾向が高い人は、全身性適応負荷が高い。
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Q: 神経症的傾向が高いことのメリットは何なのだろう?なぜ進化の過程で淘汰されなかったのだろうか?